暑苦しい話

時給を月額で考えて見ると、不思議なことがわかります。
もう何年前になるでしょうか。少なくとも社民党の女性党首が
声を張り上げ「最低賃金を1000円にすべきだ」と叫んでいたのが、
6年前の参院選ですから、7、8年前にはなるのでしょうか。
それがどうですか。遂にと申しますか、やっとです。
厚労省の諮問機関「中央最低賃金審議会」は最低賃金を27円引き上げ
東京1013円、神奈川1011円としました。全国平均は901円で900円を超えました。
凄いことですねぇ。
もちろん背景には、左派系政党の「思い付きのような時流にマッチしない
政策」があってのことですが。実態はアベノミクスで好況を維持するためには
「賃金の上昇」が至上命題の政府の方針にあります。
現に「経済財政運営の基本には早期に1000円にすべき」との方針が示されています。
その結果、4年連続で大幅な引き上げが行われました。
新聞は欲張りなのか、それとも強欲なのか。或いは平等を勘違いしているのか、
1000円に到達したのは東京と神奈川だけ、最低の鹿児島とは224円近い開きがあり、
それを解消、全国一律に1000円を突破せよと「地域格差の是正」に声を張りあげる。
私に言わせれば、本気で言っているのかと、疑いたくなる。
どうして、東京の経済力と地方の賃金を一緒にできるのか。
大企業と中小零細企業の賃金体系が違うように。先進国と途上国の賃金が違うように、
家賃や土地代、物価が東京と地方が違うように、条件が違うのです。
もちろん、同じ日本じゃないか。何故できない。できないハズはない。
そんな単純な発想も理解できますが、一極集中が存在するのは歴然とした事実です。
それにも関わらず、最低賃金の地域格差があるのはおかしい、解消すべきと一辺倒の
論陣を平気で張る。新聞の教条主義とはこういうことです。
「人間の尊厳を守る生活には足りなさ過ぎる。最低賃金の全国一律1500円を
政府が保証せよ」と「れいわなんとか組」が主張。耳障りは良いですが、
もう一度確認しますが、誰が払うのですか。政府ですか、雇用主は国営企業じゃないのです。
そんな暴論ありえないです。
では企業ですか。潤沢な利益をあげる大企業なら可能でしょうが、
日々必死に生き残りを掛けて踏ん張る中小零細企業に1500円などと法律で決めたら、
それこそ、倒産、閉鎖、終業が相次ぎます。中小零細企業はなくなれということになります。
それから、こんな視点で最低賃金を考えたことがありますか。
時給1000円で1ヶ月30日間、8時間フルに働くと24万円です。
しかし、週休2日、それに祝祭日があると、10日以上休みです。
20日8時間で16万円です。それでは賃金が低いとなれば、
8時間を10、12時間に増やすしかありません。そうすると、
「働き方改革」の時短に抵触することになります。
暑苦しい話で恐縮ですが、最低賃金がいくらかは、中小零細企業にとっては死活問題です。
働かないで最低賃金をあげろなんて、やはりどこか間違っているのではないでしょうか。
人の倍働けば倍の収入が得られる、それが真っ当な人間社会ではないでしょうか。Goto

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