貧すれば鈍す。

毎日新聞の公明党人事に関する誤報……喝!
重箱の隅を突くようで恐縮ですが、ひょっとしたら……
「神は細部に宿る」と申しますから、「新聞命(しんぶんいのち)」の私としては、
案外的外れではないような気がしていますので。
以前ブログで、朝日新聞が「ハンセン病家族の会」が起こした訴訟、
敗訴した国は、控訴すると一面トップで報じたが、その日に政府は控訴を断念。
朝日新聞が世紀の誤報を犯した。それも参院選最中、意図的な誤報、罪は重いと書きました。
翌日に政治部長名で「お詫びらしき記事」が掲載されましたが、
根本は記者の「取材能力」の低下、いや劣化が原因だと私は思っています。
特ダネをスクープしようと思えば、夜討ち朝駆けは元より、
政治の場合は政治家との人間関係を構築せねば、情報を得ることはできません。
当然のことです。
それが「働き方改革」で、記者の労働時間を厳守すれば……「ハイ時間です。今日の
取材はこれまで」なんて上層部からいわれれば、面白いネタを仕込んでも、
中途半端、生煮えのまま、記事にするってことになるのではないでしょうか。
それが、誤報に……となると、新聞そのものの信頼性を脅かすことに。
毎日新聞も誤報をやらかしました。世紀とまではいきませんが、
少なくとも、取材がいい加減であったのは間違いないようです。
9/19付、朝刊です。公明党の幹部人事「公明党副代表に石井氏、
党参院会長に山本香苗氏」との見出しで、記事は公明党世代交代加速と打ちました。
それが、同日の公明党中央幹事会での決定人事は「石井啓一前国交大相は
幹事長代行。山本香苗参院副会長は留任で、会長には西田実仁前参院幹事長が就任」
見事なまでの誤報です。
毎日は、20日の朝刊で「おわびします」とのベタ記事で糊塗。
19日の朝刊記事、石井、山本両氏の役職はいずれ誤りでした。
「おわびして訂正します」とだけ。経緯の説明もなければ、ことの重大さに触れていません。
なぜ、こんな誤報になったのか。
公明党は自民党や立憲、国民などの政党とは違い、共産党のように、
組織がしっかりしていて、党運営も実に堅実な政党です。
エセネタを流すようなことは考えられません。
ではなぜ、こんな間違いが起こったのか。
理由はいくつも考えられます。朝日と同様、取材能力が低下している。
記者のレベルが落ちている。公明党に担当記者を付ける組織力、経済力がなく、
他党との兼務になっている。などなどです。
でも本質は、危機感のなさです。新聞が誤報を打てば、読者が離れる。
あたり前のことです。まして新聞離れが急激に進んでいるというのに。
新聞の生命線である「編集局」に緊張感や危機感がないから(背景は経済的圧迫)
このような、あり得ない誤報が記事になるのです。
毎日の毎日たる所以は、時の権力にはおもねないことにあります。
常にジャーナリズムとしての誇りを持って、世の中を牽引しています。
私は毎日新聞に尊敬の念を持って購読しています。
しかし、政権の一角を担う公明党の人事を見誤るなんて。「貧すれば鈍す」です。
とてもじゃないが、政権を批判するだけの力がなくなった証明ではないでしょうか。
如何にも残念です。奮起を促したい。Goto

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