国際芸術展・あいちトリエンナーレ・真の総括。
新聞各社が年末恒例の「十大ニュース」を発表しています。
掲載が早すぎませんか。12月に起きた重大な話題はいつの年に入れるのですか。
「ハバにされる」という言葉があるが、12月を「ハバ」にしているようです。
やはり、12月の晦日とか大晦日の紙面をかざるべきですね。
今年の総括ってわけではないですが。
私も首を傾げたので、本当の姿を見失っていたのではと思うのが、
3年に一度、愛知県で開催された国際芸術展「トリエンナーレ」の評価についてです。
ご存知のように企画展で「自由」をキーワードにすれば、
韓国で政治利用している「慰安婦像」問題であろうが「天皇批判」だろうが、
「全て良し」ってことでしょうが。
そりゃ、税金を使ってやる「イベント」にしては、
「自由」を履き違えたのではと、私も思ったのですが、
それに気を取られ、「トリエンナーレ」の本当の凄さを見落としました。
出品された作家の男女比を半々にするという「こだわり」が貫かれました。
総監督津田大介氏の「平等のメッセージを発信する」との方針に基づき、
メインの現代美術展とパフォーミングアーツでは女性が過半数を超えました。
「女性が活躍できる社会」を目指すのは「国家的課題」で安倍内閣の重要方針です。
その意味からも、芸術展での作家を男女半々にしたのは慧眼に値します。
津田氏曰く「芸術展に男性の作品が多いのは選ぶ側に男性が多い。
構造的に男性優位になっているのが問題ではないか」と「ガラスの天井」の本質をズバリ。
因みにですが。国内の主な美術館館長450人のうち女性は僅か16%。
横浜美術館の女性館長は「美術館は多様性に対して意識的でなければ、
時代に則した発案ができない」と男性優位の現状を多様性という言葉で表現し、
文化・芸術的分野での女性の登用を語っています。横浜は林文子市長です。
女性の活躍を阻害するのは、政治や経済の分野だけではない。
芸術の分野も然りです。企画展が話題になったばかりに注目されなかった、
「あいちトリエンナーレ」の背景にある「芸術における女性蔑視」に
果敢にチャレンジしたことも今年の十大ではないかもしれないが
重大なニュースに加えておかねばなりません。Goto
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