語彙力

新聞科学研究所に物申す。
人間関係を維持するのに、言葉って大切ですよね。
「目は口ほどに物を言う」と申します。眼力があれば、言葉なんて。
あるいは「男は黙して語らず。ベラベラ喋るんじゃない」のが男の美学なんて言いますが。
とんでもないです。やはり言葉と申しますか、単語が豊富で、
物事を的確に表現することは、仕事を円滑に進めるだけでなく、
社会生活を営む上でも重要なことです。
「新聞命」の私が不思議な機関だ、その意図がいつもピンボケだと首を傾げる新聞広告が
「新聞科学研究所」からまたまた発表され、掲載されました。
またまたと申しますのは、最近、調査結果と称して様々な広告が掲載されるからです。
この「新聞科学研究所」なる機関は日本新聞協会のプロジェクトです。
どこに研究所があり、誰がどんな方法で調査しているのかは分かりませんが、
目的は昨今音を立てて瓦解する新聞離れを止めるための、新聞購読の普及だそうです。
新年早々から愚痴っぽいことを申したくないのですが。
私が「新聞命」だという理由は、米国建国の父といわれ、
独立宣言を起草した第3代大統領トーマス・ジェファーソンが新聞を評して、
「新聞のない政府と、新聞のある政府のどちらかを選べといわれれば、
躊躇なく後者を選ぶ」と語ったことに起因します。
もしも「新聞がなかりせば、民主主義は崩壊し、如何に文明が進歩しようが、
経済が発展しようが、権力者が跋扈し、民は自由を奪われ、この世は暗黒になる」と
信じているからです。
なのに、日本の新聞界の現状は危機的状況にあります。
そんな危機感があってのことなのでしょうが。
ネット調査と称して身勝手なご都合主義を「科学研究」として発表していることに、
何と悠長なことかと疑問に思っています。
で、最新の「研究所」が発表した理解不能な新聞広告の内容です。
「友人の多さ新聞が鍵に」のタイトルで、新聞を購読している人と、
未購読者では「友だちが多い」と答えた購読者が未読者よりも10.2ポイントも違う。
コミュニケーションには語彙が欠かせない、
その語彙は新聞を購読しているから身につく、との調査結果が判明した。
だから新聞を購読しなさい。概ねそんな内容です。
果たしてこの結果に信憑性があると思いますか。
コミュニケーションは「分かち合い」です。語彙力ではありません。
新聞が発行されるそもそもの目的を丁寧に検証して、科学的な分析を加えるならわかりますが。
新聞を読んで、語彙が増えれば「友だちが増える」って、
世の中を、購読者をバカにしてはいませんか。Goto

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