新聞と読者の間で

衝撃です。新聞未購読世帯が60%を突破する。
新聞の購読者が音を立てて減っています。
ひと昔前は、日本中どのエリアでも、地方紙があるところは、
地方紙がトップシェアを占め、その次に、全国紙が続きます。
何年前になるでしょうか。20年くらいでしょうか。
都市部・東京の新聞定期購読調査の結果を聞いたとき、衝撃的でした。
トップは読売、3位が朝日、4位が聖教新聞で、2位が新聞名でなかったことが。
2位は何だと思います。そうです。未購読です。新聞を購読していないのです。
田舎では新聞を購読することは「文化」だと思っていたのに。
生き馬の目を抜く東京で、新聞から情報を得る必要性を感じない人が30%近くいるなんて、
信じ難い思いでした。もちろん、ネットなどない時代です。
その頃の新聞社は「読まない読者が悪い」「新聞を読まなければ社会に置いていかれる」
などと上から目線でした。そうです。読売が1000万部目前だと豪語し、
朝日が800万部に手が届くと胸を張り、新聞こそがメディアの盟主と
ブロック紙もローカル紙もです。栄耀栄華を極めていたころです。
そんな時代でしたが、心ある新聞人は「記者クラブ」にいて発表される記事を
書いているだけでは、新聞は読まれなくなる。夜討ち朝駆けはもちろんのこと、
現場に足を運んで丁寧に取材し「生きた記事」「熱い記事」を書かないと、
読者は離れてしまうぞ。そんな警鐘を鳴らしていました。
テレビなんて、企業の広告で成り立つメディア。所詮は、娯楽の域を出ない。
テレビ欄さえ充実すれば、新聞がテレビに取って代わられるなんてことはないと、
高を括っていました。現実に、テレビが普及しても、新聞の購読者数は増え続けました。
しかしです。実は、都市部では未購読数がジワリ、ジワリと増えていたのです。
それが、どうですか。最近の調査。都市部では未購読世帯が60%を超えました。
ローカルでも50%に達しました。そうです。新聞を読む人が音を立てて崩れているのです。
果たして再興はあるのか。
朝日のオピニオンコーナーです。
新聞を読んでもらうにはどうすべきか、現場の苦闘が。
「新聞と読者のあいだで」とのコラムで記者たちの社内勉強会の模様が書かれています。
「読まれない傾向にある記事」とは「焦点が定らない記事」「目線が高い記事」
「先に頭で考えた記事」「体温が低い記事」は問題だと。
如何にも朝日的だと思うのですが、この議論って、20年前にやらねばならなかったのでは。
そうです。今となっては後の祭りではと思わずにはいられません。
では、どうすべきか。新聞に一番欠けているのは、リアルタイムでないことです。
デジタル新聞で解決するしか方法がありません。
でも、現行の紙媒体で、どうするかとなれば、一つだけです。
じっくりと掘り下げた論説、あるいは社説的な読み物風の記事を掲載することでしょう。
であれば、その裏付けとして、現場で取材し、熱い記事が生きてきます。
「新聞命」の私は新聞の「あるべき姿」を真剣に考えています。Goto

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