読売出版広告賞に思う

出版社は新聞広告に「知的好奇心」が湧くよう真摯になれ。
新聞広告が一番楽しいスポンサーは出版社の紙面です。
知的感が溢れ「これぞ新聞広告」って感じで、私は出版社の広告にはいつも魅了されます。
今年で24回目になるそうですが読売新聞が出版広告の活性化と出版界の発展を
目的として創設された「読売出版広告賞」が発表されました。(写真参照)
審査対象は2019年1年間で出稿されたものです。
大賞は「小学館」の『少年サンデー』「日本に、もっと日曜日を。」です。(2019/1/1朝刊)
どう思われますか。「4コマ漫画」をもじったものです。
選考理由は寝っ転がって本を読んでいるキャラクターが
最後は寝てしまうのかと思ったら「本の魅力に取り込まれる」そんなくだりと、
日常生活で自分の時間を満たすのは「本」だと語りかける広告だとの評価です。
ズバリと申します。小学館は「新聞広告」に期待していないのではないか。
そんな気がします。何度見返しても、迫力もないし、訴えるものも伝わらない。
駄作ですね。これが大賞とは。そんな作品だと私は思います。
金賞は新潮社の「新潮文庫の100冊」です。(2019/7/6朝刊)
選考理由は「黄色一色に塗りつぶした紙面が強力。どんな上の記事にも
ひけをとらない。文庫本サイズに組み込まれたフレーズ群を読むと、
名作の数々、書店に駆けつけ、残りをチェックしたくなる」そんな評です。
私に言わせば、名著を読んだことのある人の奢りですね。
だったら、本の名前を列挙して「あなたも読めば」きみの悩みは、
もう本になっている。とストレートにした方が良いのではと思うのだが。
それにしても、上の記事に負けない「黄色」が選考要因とは。
銀賞・銅賞はどうしようもない作品です。
河出書房新社の「完全版ピーナツ全集」。
L字型の紙面構成と色遣いが評価対象では何をか言わんやですね。
ごく普通の「書籍広告」であって、それ以上もそれ以下もない。銀賞にはねぇ。
講談社の「希望の糸」当代一流の東野圭吾さんの最新作を宣伝した広告です。
どこが賞に値するのでしょうか。乱雑に引かれた稚拙な糸の線が凄いのでしょうか。
それとも、東野さんの手書き文字に価値があるのでしょうか。理解不能です。
まぁ。私なりの評価ですから、いい加減ですが。
出版社は「本」を告知しなければ売れません。新聞を読む人は活字を大切にする人です。
そこをターゲットに出版広告はあります。
であれば、「コピーが心を打ち」、「レイアウトに斬新さがあり」、
そして何よりも知的好奇心を唆らねば「出版広告」とは言えません。
残念ですが。賞に値しない作品に賞を与えることこそ新聞社の堕落であり、
出版社の恥の上塗りではないでしょうか。
因みにですが。なぜ、宝島社の新聞広告が賞から漏れているのでしょうか。
読売新聞には宝島社が掲載をお断りしているのでしょうか。不思議です。Goto
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