煙に巻く

よく考えてある新聞広告に感心しましたので。
ジメジメした梅雨の便りが気になる季節です。
通常ならば、各メーカーはこの時季に合せ、開発してきた商品を、ここぞとばかり
企画を立て、一気に攻勢に出るところですが、
コロナ禍で・・・消費者の意識が奈辺にあるのか。購買意欲はどうか。
景気の動向はどうなるのか。世の中の動きが読めない。
時季に合せて家庭用の新商品を開発してきたメーカーにとっては、
経営戦略をどうするのか悩ましいところです。
さすがに、蚊取り線香の「KINCHO」です。
思い悩む時代を逆手とって、煙に巻く面白い新聞広告を発信しました。
ステイ・ホームです。テレワークです。学校が休校です。（開校されましたが）
そうなりますと、家庭での食事が増えます。清潔にしていたキッチンや
居間など、整理整頓が後手に周り、食べカスや生ゴミが余計に出ます。
それに、高温多湿の梅雨に入ります。
そうなりますと、どこから湧き出てくるのか、あのなんとも癪にさわる・・
「ゴキブリ」が寝静まった頃合いを見計らってゴソゴソ動き始めます。
目に付かなければ、共存しているようなものですから、どうってことはないのですが。
チラリとでもその姿を見かけますと、我が家でも家人の形相が一変。
スリッパを持ち上げ、新聞紙を丸め、親の仇のように追いかけ回します。
その姿に「クワバラクワバラ」身震いしてしまいます。
そうなんです。コロナ禍の最中・・怖々「KINCHO」が新発売した商品は
全く新しいゴキブリ駆除剤です。どこがどう新しいのかはよく理解できませんが。
紙面のコピーでは・・ゴキブリ退治の定番は「くん煙剤」で殺虫する方法です。
新商品は「煙がでないのに部屋に数回プッシュするだけで
煙以上の革命的な効きめがある無煙処方」だとか。
まるで煙に巻くような話ですが・・・よく考えてある新聞紙面ならではの広告です。
それと、この広告が素晴らしいと思うのは、この紙面の他に、「KINCHO」の
ロゴに合せ、社会の空気を想定した6種類の「広告紙面」をQRコードで示しています。
デジタルと新聞紙面を巧みにコラボさせ、パンフレットやパッケージにも利用しています。
制作者がどなたかは知りませんが、アドマンの最高傑作ではないでしょうか。
感動しました。
思わず、紙面を家人に見せ「鬼のような形相でゴキブリを追わなくてもこれで」と
一言申したのが・・・良くなかったですね。我が家のゴキブリはあんただ」と激怒。
何とか煙に巻きましたが・・・とほほほほ・・・Goto

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