石に齧りついても。

「コロナに負けてたまるか」簡単に事業を投げ出す経営者が多すぎませんか。
学生時代の親友に、自衛隊の幕僚を親に持つ生井誠君がいた。
彼は私には珍しい友、真面目で勉強熱心、なぜか学生運動に熱くなっていた
私の代弁を何度もしてくれたり世話を焼いてくれた忘れられない学友です。
卒業以来、半世紀近く会っていないのですが。
彼の就職先はアパレルの大手レナウンでした。
10年ぐらい経ってからでしょうか。もう少し後かも・・定かではないのですが。
生井はレナウンの紳士服ブランド「ダーバン」で活躍していると風の便りで。
そうか。生井が「ダーバン」か。友のよしみで、私もスーツを買うときは
「ダーバン」にするかと、それから、折に触れ「ダーバン」を愛用しています。
もちろん、生井は同級生ですから古希を過ぎています。「ダーバン」に関わっては
いないでしょうが。アパレル大手「レナウン」が経営破綻したとのニュースに、
ふと旧友の顔が浮かびました。
なぜ「レナウン」は破綻したのか。業界紙に色々書いてありました。
時代の流れに抗うことができず、主力販売先の百貨店の売上が落ちたことと、
コロナ禍で2ヶ月あまり百貨店が休業した、ネット販売の波に乗り遅れた、
昭和モデルの成功体験がトラウマとなって業界の古い体質から抜け出せなかった。
などなど列挙されていましたが。どれもどの業界にも当てはまる事例だと
身につまされるのですが。私はレナウンの破綻にこんな印象を持ちます。
経営陣が破綻への諸々の刹那を知らなかったってわけではない。
この時代です。ユニクロの隆盛も通販の台頭にも目を背けていたのではない。
独自のブランドで高級なニッチ路線やシェアエコノミーの盛り上がりに
新たな販売手法に挑んでいたのでしょう。でも破綻した。その原因は何か。
簡単です。経営者が「戦意を喪失」したからです。なぜ、喪失したのかは
わかりませんが。コロナ禍で経営破綻したと言われる頃合いを見計らって
破綻したのですから、追って知るべしです。コロナ禍で倒産なんて、
もっとも安易な逃げ道です。経営陣の軟弱さに「喝」です。
この国はそんな冷たい国ではありません。
経営者に「石に齧りついても生き残ってやる」との覚悟があれば、
「コロナ禍でこんな状況です。助けて下さい」と土下座でも懇願でもできるハズです。
経営陣が諦めなければ、破綻以外の道が開けたと私は思います。
「コロナなんかに負けてたまるか」です。
偉そうなことを言っても「明日は何があるかわかりません」が、
しかし、軟弱な経営者のせいで、日本繊維界の名門が沈んだことは残念でなりません。
我が友・生井なら、いや、優秀な社員の中から心ある人材が名乗りを上げ、
復活してくれればと願います。Goto

コメント

  1. no name より:

    勉強になります。
    お体には、お気をつけ下さい