SNSで起こる問題は人間が解決するのではなくAIの仕事では?
女子プロレスラーがSNS上で、匿名の謂れなき誹謗中傷を受け自死しました。
毎日新聞が「匿名の刃」ーSNS暴力を考えるーという特集記事を掲載しました。
内容は、総務省有識者会議「発信者情報開示のあり方に関する研究会」座長への
インタビューです。この問題は民主主義国家においては実に難しいと改めて思います。
1・憲法では、表現の自由・通信の秘密が保障されています。
批判的意見をすべて規制すれば、表現の自由が奪われます。
時の政府を批判することも規制対象になります。
絶対的保障ではありませんが、発信者の身元が秘匿されることで
通信の秘密が保障されます。「匿名表現の自由」が守られることになります。
1・権利侵害を受けた時の被害請求の仕組みがありません。
裁判に委ねる場合、通信事業者にIPアドレスの開示を求め、
氏名開示の請求をするところから始めねばなりません。
書き込まれた人の負担が重く解決には気の遠くなるような手続きが必要です。
1・SNS事業者の社会的責任が明確でありません。
「プロバイダー責任制限法」は2001年に制定された法律で、
「2ちゃんねる」などの匿名掲示板が対象。その後、拡散力のある
TwitterなどのSNSの登場で被害が非常に深刻なるケースに対応しきれていません。
他にもありますが大別すると絡み合う以上の3点をどう紐解くかが
「有識者会議」の仕事です。果たして議論を纏め、一定の方向を示すことができるか。
私は従来の発想では答えが出ないと思います。なぜなら2001年のIT状況ならば、
「プロバイダー責任制限法」でそれなりの歯止めが掛かったのですが・・
今や、その法律が陳腐化してしまったのです。ここで「有識者会議」が
方向を示し法制化しても、ITリテラシーは数年後には役立たなくなります。
ではどうするのか。テクノロジーを使って誹謗中傷を防ぐのです。
そうです。投稿に返信できる相手を限定できる仕組みを取り入れる。
あるいは、究極の案ですが、投稿にAIが判断して誹謗中傷と
表現の自由を棲み分けさせるのです。
そんなことできるかと思うところに、この問題の解決はありません。
IT技術を侮ってはいけません。Goto
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