「ポケットに手を入れて格好つけてるんじゃない・・・」
亡父・親父殿の命日は7月4日です。33回忌が済みました。
随分と時間が経ったのですが。今なお、親父殿の掌から外に飛び出せず・・
「老いた孫悟空」となった己の未熟さを痛感しています。
このブログは「新聞を読もう」がテーマですが、その背景は新聞社の役員だった、
親父殿の影響です。「新聞を踏むな」「新聞を読めば世の中の大概のことはわかる」
「新聞に学び、新聞記事を鵜呑みにせず、自分の考えと擦り合わせてみろ」など、
新聞に対する愛着と蘊蓄を随分と聞いたものです。
私は毎朝、新聞6紙に目を通し、新聞を読むことを日課にしています。
朝・新聞がポストに入っていない日ほど、憂鬱な一日はない。
そんな「新聞いのち」で新聞が大好きになったのは、親父殿のおかげです。
その親父殿。「放任主義」を旨としていたせいか、倅に注文を付けるとか、
怒るとかしたことはありません。多分ですが、自分が幼少期に
父親を亡くしているので、子供との距離感が掴めず放任主義にしたのではと思っています。
6月26日の日経を開いていて「お洒落なジェントルマン」がビルの窓辺に立って、
笑顔でこちらを見ている写真が掲載された全面広告に出会いました。(写真参照)
白を基調に淡いブルーで包み、男性の抑えた紅いネクタイが似合い
色使いがスッキリしたレイアウトです。
コピーは「多様性は乗り越える力」・・・企業にとって今必要なのは
変化に対応できる柔軟性・・・ダイバーシティがこれまで以上に重要になっています」・・
とあります。要はダーウィンの進化論、「強いものが生き残るのではない、
変化するものが生き残るのだ」を言っているのでしょうが、
結構、余計なお世話な広告です。
批判はダメですが、この広告を見て、親父殿が・・滅多に躾などしない人でしたが、
「オイ・ポケットに手を入れるな。ポケットはモノを入れるものだ。手を入れるもの
ではない」「手が冷たいなら手袋をはめろ」「ポケットに手を入れて歩くと危ない」
「ポケットに手を入れるのは格好つけているからだ」と教わったことがあります。
そういえば、企業の経営者が登場する新聞広告をよく見かけるようになりました。
狙いは「経営者の顔が見える」ことが読者に企業の信頼性を与えるからです。
でも、ポケットに手を入れ「石原裕次郎」ではあるまいし、スター気取りで、
格好つけている経営者が広告に登場するのは稀ですね。
「新聞は公器だ」と親父殿は言いました。
公器を理解していないと、こんな奢った経営者がと
親父殿の命日に思う次第です。・・Goto
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