寄付文化

学者も事業家も世の中を良くしたいという思いで・・・
ノーベル生理学・医学賞の受賞者・本庶佑京大特別教授は・・
「がん免疫療法」の研究を進めるにあたり・・
「新しく自由な構想で研究施設の整備や若い人の支援ができる」と静かに語り。
同じくノーベル賞受賞者・iPS細胞の京大山中伸弥教授は・・
my iPS細胞プロジェクトを推し進めるにあたり
「使い道の自由度が高いのでありがたい。その分重い責任を感じる」と控えめに。
二人のノーベル賞学者にそう言わしめるのは「本庶先生も山中先生も私利私欲がなく
一生をかけて世界のために研究している。我々は世の中を良くしたいという
思いで変わりがない」として総額100億円寄付すると発表したユニクロの柳井社長。
本庶教授の研究には基金が設立され2030年までの10年間で50億円が寄付される。
山中教授にはプロジェクトに21年度から9年間で計45億円が寄付される。
その他に山中先生の新型コロナウイルスに関する研究に5億円する。
100億円を寄付するのだが、その額でヘェーと驚いてはいけない。
両教授が何をなそうとしているのかを十二分に吟味して・・
取分け本庶教授は小野薬品工業と特許を巡って係争中であり、その額は200億円超。
仄聞するところだが、本庶教授は次世代の研究者を育成しつつ、
がん免疫療法の研究をするには中途半端な資金ではできないとの思いから、
製薬企業の保守性に一石を投じんと敢えて訴訟を起こしている。
そんな本庶教授の「凛とした学者魂」に柳井氏が同郷の尊敬すべき先輩にエールを
送ったのが真相ではないだろうか。もちろん、山中教授はiPS細胞をオープン化しているのは
周知の事実である。その研究者としての「私利私欲」のない姿勢への畏敬の念からの
支援ではないだろうか。
日本には寄付の文化がない。理由は色々あるだろうが。
根本は官尊民卑の思想ではないかと思う。民はお上に施しを受けるモノであり、
お上が税を始めとして全てを収奪し配分する仕組みが寄付する文化を育まなかったと思う。
それと、オーナー経営者はあくまでも私欲に走り。サラリーマン経営者は保身に
終始している企業人の貧相な根性が寄付する文化を遠ざけていたのではないか。
柳井氏の「我々は世の中を良くしたいという思いは変わらない」との言葉は
企業を営むモノとして肝に銘じたい。Goto

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