健土健民

雪印に学ぶ。理念なき企業は存続できない。

酪農の業界・厳しさを増す。
輸入品に押されるチーズ。この先さらに関税が下がっていく。
需要は伸びているのに国内酪農家の収益は厳しい。

円安で、牛のえさの輸入比率が高く、世界的な飼料価格が高騰。
経営を圧迫する。トランプ関税では何がどうなるか、不透明感は増す。

5月17日。創業100年を迎えた雪印の社長。この状況下で最も大切なことは
「社会課題から逃げない。むしろ解決する精神ととらえるべき」「創業者の思いを今に繋ぐこと」「今後も『食』に深くかかわることで社会課題を解決したい」と熱く語る。

2017年以降、北海道内2工場でチーズやバターの生産体制の強化に
400億円を投資した。さらに25年5月以降も道内の別の工場にも
約460億円かけ、26年にチーズ増産などに向けた工事を着工すると発表した。

ご存知の方はご存知だと思う。雪印は過去に不祥事を起こした。
「食」への不安が広がり棚から商品が消えた。倒産も噂された。
その存亡の危機を救ったのが・・・創業の理念である。

雪印の創業は100年前。全身は「北海道製酪販売組合」である。
創業者の故黒沢酉蔵は「健やかな土壌の草を食べた牛の乳で、
健やかな民が生まれる」と循環農法「健土健民」を説いた。
それが北海道に酪農を広める理念となり、原動力に。

1970年代・北海道十勝地方の大樹町では黒沢の「健土健民」の理念に共鳴、
農家が次々に酪農専業に転換した。牛の排泄物でつくった肥料を畑にまく。
「年を追うごとに良い牧草ができ、質の高い牛乳がしぼれる」
そんな夢を抱き、牛を増やし一帯は酪農王国と呼ばれるようになった。

事件で、企業の存在意義を強く問われた雪印の再出発を模索する社員を支えたのが「乳業の意義と志を高らかにうたう」黒沢の言葉・創業の理念だった。

企業はボートを漕ぐようなものである。
進む先にどんな危険や危機が待ち受けているかは誰にもわからない。
社会の指弾を浴びた雪印。誰もが立ち直れるか?疑問視したが・・・
創業100年を迎え、新たな工場を次々に創設するに至った。

雪印は単に一企業ではない。酪農学園大学も有し、若者を育てている。
北海道の酪農業を支える基幹企業である。なぜ間違えたのか。
そしてなぜ立ち直り、次の100年を見据えることができたのか。

全ての関係者が、創業の理念である「健土健民」の精神を問い直し、
己のものとしたからに他ならない。

我が社の理念は「広告業を通して地域社会に貢献する」そのために
Happy Media(広告の力)で「日本を元気にする」である。
雪印の再興に学び、より理念の旗を高く掲げねばならないと決意を新たにする。
Goto

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