コロナ対策司令塔

感染防止と経済の両立鮮明に・・・
感染拡大でコロナ禍が次の局面を迎えたようです。
政府が取るべき政策には選択肢がいくつもあるようには思えません。
最近発表された二つの経済指標から・・読み解いて見たいと思う。
米商務省が2020年4〜6月期のGDP速報値を発表しました。
年率換算で32.9%減は、あのリーマンショック直後の08年10〜12月期8.4%減、
古くは1958年1〜3月期、設備投資ブームの反動減があった10%減を大幅に上回り
比較可能な1947年以降で最悪の落ち込みです。
これが戦争などの人的な要因ならば、大統領の首が飛ぶ話です。
しかし、相手はコロナウィルスです。米国民がどう判断するのか。
大統領選まで4ヶ月を切りました。更なる大規模な追加補正予算を組むのか?
それとも、逆に米中戦争などというきな臭い道を選択して国民の目を逸らすのか。
予断は許しませんが・・・そもそも要因は明確です。
コロナ禍で多くの小売店が休業や営業縮小に迫られたことによって、
GDPの約7割を占める個人消費が34%減ったことに起因しています。
特効薬のワクチン・治療薬が出来るまでの辛抱ですが。
米国経済が高熱でうなされれば、そのツケは従属国である日本に及び、
日本経済が重症化することは間違いないようです。
政府は2020年度のGDPの成長見通しを1月時点で示した1.4%増から、
4.5%減へと下方修正しました。これまたリーマンショックの08年度時の3.4%よりも
経済が悪化すると見込みました。マイナス成長になるのは消費税を5から8%に
引き上げた14年度以来6年ぶりのことです。
メディアは取り分けテレビ報道番組は、連日の感染者拡大に対して
感染症の学者や医師をゲストに招きこのままでは医療崩壊が起こり兼ねない・・・
再び「緊急事態」を発令すべきだと盛んに報じています。
コロナ禍で重症化すれば死に至ります。バックボーンに「命」がある限り、
報道番組で煽れば煽るほど政府を追い詰めていくことになるでしょうが、
私は冷静に考えるべきだと思っています。
再び「緊急事態宣言」を発令したら、日本経済はどうなるか。
ただでさえ、米国の高熱で脅かされているのです。
日本のGDPも米国同様、個人消費が6割です。緊急事態宣言は一度経験したように
個人消費を遮断することです。そうなれば米国の高熱に追い打ちをかけ
今度は死屍累々になります。
国会が閉会されたからなのか、それとも政局絡みになってきたのか。
あるいは安倍首相の方針が変わったのか。ここに来て政府の司令塔が鮮明になりました。
菅官房長官が全面的出てきました。ということは官房長官の発言が政府のコロナ対策です。
現時点ですがと、断らねばならないほど流動的ですが。
司令塔としての官房長官発言は・・・
1・感染拡大防止と社会活動の両立が政府の方針である
1・幅広い業種に営業自粛要請はしない。経済に深刻な打撃を与えるから。
1・政治の大きな役割は国民の雇用を確保することである。
1・地方の観光業は本当に大変なことになっている。
1・感染者は再び増えているが、重症・中等症患者の病床を確保し、
軽症者をホテルで隔離すれば過度に恐れることはない。
1・夜の繁華街などコロナが発生しやすい場所は現行法に基づき対処する。
官房長官の発言、一つはコロナウイルスの実態を「この程度」だと見極めた。
そして、日米二つの経済指標から日本経済をこれ以上悪化させないとの方針です。
万が一、重症・中等症患者が急増し、この国がパニックになったら、
司令塔として腹を切る覚悟ができたのではないでしょうか。Goto

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