不機嫌な時代

5月です。爽やかな風が頬を撫でます。
最近思うことがあります。これも長引くコロナ禍の影響でしょうか。
それとも朝、明るくなるのが早くなり陽気が良くなったせいもあるのでしょう。
ウォーキングで出会う人が増えたのですが・・・雰囲気が重いのです。
人と会うな。人と話すな。人と接するな。まるで呪文のように報道されています。
会議はオンライン、友人とはメール、家族とも口を聞くのが憚られる・・・
そんな風潮に、以前ならウォーキングで擦れ違う人に「おはようございます」と
声を掛ければ・・・大方が「おはようございます」と返事が返ってくるのですが・・
マスク越しなので聞こえないのかも知れませんが・・・
いや、こんなご時世に朝っぱらから大きな声で挨拶するノー天気な奴がと・・
怪訝されているのでしょうか。プィ・・・と横を向かれると寂しいものです。
たかが朝の挨拶です。ことさら目くじらを立てることもないのですが・・・
挨拶は人間関係の基本です。挨拶の挨は自分の心を開くという意味です。
拶は迫るという意味で、挨拶とは「心を開いた状態で相手に迫る」ことです。
挨拶はコミュニケーションの始まりです。
私の知る限りでは、挨拶のできない人で上機嫌な人はいないようです。
ブスっとしている感じに見えますから・・・・機嫌してしまいます。
機嫌とは「忌み嫌う」という意味ですから・・・嫌な奴だと思われ殺伐とします。
「あいさつ」って最後の文字が「つ」です。
この「つ」は「次」の「つ」で挨拶のあとに次の言葉をつなぐ意味があります。
それが・・・雑談です。「おはようございます」「おはようございます」
「爽やかな陽気になりましたねぇ」と・・・そうなのです。挨拶の次に
雑談があってコミュニケーションができるのです。
私の尊敬する・・・明治大学の齋藤孝教授は、雑談の効用をこう語ります。
雑談は言葉を交わすことで人間関係を少し温めコミュニケーションを円滑にする。
例えオンライン会議でも、会議の始まる前に、数十秒で構わない「雑談」をすると
会議が和やかになり「よいアイデアが生まれる」と雑談をススメています。
コロナ禍は・・挨拶もしない。雑談なんてなおさらしない。
必要以上の会話は交わさないとなりますと・・・暗くて重い社会になっています。
私はこんな社会を「不機嫌な時代」と呼んでいます。
せめてマスク越しであっても挨拶ぐらいは・・・いつも明るく元気にしたいものです。
今朝も今朝とて、爽やかな5月風が頬を撫でます。
新緑が眩しい木々に上機嫌に「あいさつ」です。Goto

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