朝日新聞広告賞に思う

広告は社会を映す鏡です。
新聞の購読部数減少が著しいです。それに付随して新聞広告も少なくなっています。
新聞広告で育った老アドマンとしては淋しい限りです。
それでも、各新聞社が独自の視点で広告賞を設けていることに敬意を表します。
69回になるのですねぇ。
2020年度・朝日新聞広告賞が発表されました。
この賞は若きクリエイターにも門戸を開き、広告主が出した課題に基づく公募作品の部と
朝日新聞の紙面に掲載された広告の中から広告主が応募した「広告主参加の部」で
競われます。応募総数は一般公募の部で1207点、広告主参加の部で280点です。
余談ですが、応募数も往時と比べてもせんなき事ですが・・・淋しいですね。
でも、応募作品は、広告の価値はもとより、面白さ、楽しさは読者の目を弾きます。
広告主参加の部・・・朝日広告大賞
「西武園ゆうえんち・としまえん、最後の広告 Thanks」です。
豊島園といえば、私が学生の頃、半世紀以上前にもデートスポットでした。
1世紀近くの歴史があります。なぜ、いま閉めるのか。
残念ですが。コロナにやられました。
豊島園の社長は・・集客目的の広告じゃなく、感謝を伝えたかったと、
古希過ぎのおじさんにもジーンとくる・・あの伝説の漫画「あしたのジョー」
矢吹丈のラストシーンを見開きで大胆に。私もこれしかないと・・・(写真参照)
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準朝日新聞広告賞・・・
この時期です。やはりコロナ禍の広告になります。
以前・このブログで取り上げました。宝島社の2点シリーズが受賞。(写真参照)
コピーは「感染拡大は、個人の責任だそうです」
宝島社らしい社会問題の提起ですが・・・収束傾向の今になれば、そうですって感じです。
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一般公募の部・・・朝日新聞賞
これも偶然ですが・・富士急行の課題「遊園地『富士急ハイランド』」が選ばれました。
制作者は大学3年生(20)・・・「目をモチーフに遊園地のスリルを表現した作品です。
「目は口ほどにモノを言う」思わずなるほどと納得です。ジェットコースターなのでしょうか
遊園地の「絶叫」を驚きの「目」で表現しました。(写真参照)
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受賞作品を見比べて思うのですが・・・
「広告は時代を映す鏡」と申します。2020年度は正にコロナ禍によって
経済に陰りが生じ、その影響が広告にも鮮明に現れました。
広告の役割は・・消費を促進することです。人を行動に駆り立てることです。
その任が果たせないもどかしさが作品全体を覆っているのを感じます。
まさに「広告は時代を映す鏡」です。
それに朝日新聞だけではありませんが・・・新聞が勢いを失っているせいか。。
新聞広告そのモノに覇気がない気がします。69回を数える伝統ある朝日新聞の
広告賞への応募点数の少なさにそれが見て取れます。
頑張れ!新聞・・・頑張れ!新聞広告・・・Goto

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