知恵を出せば、一石二鳥どころは何鳥にもなる政策はあるものです。
日本とは事情が違うので、これぞ「賢い政策」だと一概には言えないが。
でも、消費者物価の異常な上昇に、どんな手を打つかは政治の知恵ではないでしょうか。
ドイツが取り組んでいる「9ユーロチケット」には感心させられます。
ロシアの無謀を恨んでも何の解決にもなりません。政治は理想と現実の狭間を縫うモノです。
ドイツのインフレ対策、ガソリン価格を一時的に1リットルあたり35ユーロセント下げる
減税を導入。日本もガソリン価格の補助金として1.8兆円を用意して対策をたてています。
これだけなら別段、仕方がないってことですが・・自動車の利用を抑えるには不十分です。
そこで考え出されたのは・・・月額9ユーロ(約1200円)のチケットを購入すると
国内での電車やバスが乗り放題になる特別定期券を発行しました。
ドイツは自動車大国、労働者の7割が車で通勤しています(日本とは多少違いますね)
仮に燃費が1リットルあたり10キロの車に乗るとすると自宅から10キロ離れた職場に
月に3日、電車とバスで通えばチケットの元が取れることになります。
急遽のガソリン消費削減です。インフレ対策になります。
人間は「得」に弱いですねぇ。発売と同時に2100万枚に達しました。
単純計算で国民の4人に1人が購入したことになります。8月末までの期間限定で
希望者はスマホのアプリなどで毎日購入することができます。(日本では無理かな)
高速鉄道をなど一部を除き、多くの電車やバスで利用できます。
この政策。インフレ対策に端を発するのですが、多くの利点があります。
脱炭素です。輸送部門の脱炭素を進めるきっ掛けになります。
電車やバスは大量の人員を運べば、移動する際の1人あたりのCO2排出量が少なくなります。
必然ですね。国連の気候変動に関する提言も公共交通機関への移行はCO2削減になると。
ドイツ鉄道はご多聞に漏れず赤字。政府が年間25億ユーロ程度の補填をしています。
この政策は期間限定ですが、これが引き金になって、公共交通機関への回帰が起こるかも。
日本的に言えば、赤字ローカル路線の存続が可能になるってことでしょうか。
一石二鳥と申しますが。「9ユーロチケット」はインフレ対策。景気対策。脱炭素の実現。
公共交通機関の復活などなど・・・一石何鳥にもなり・・・効果は多義に渡ります。
こんな政策を称して「干天の慈雨」と申します。
日本の政治家も自分の「得」ばかりに必死になっていないで、
国家国民の安寧のために、やれない理由ばかり並べてないで、
知恵を出して欲しいものです。Goto
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