隔世の感

犬猿のヤマトと日本郵政が協業・・・・

背に腹は変えられないのか。それとも歴史的和解なのか。
24年春からトラック運転手の時間外労働時間が年・960時間に制限される・・
いわゆる・・24年問題が現実化すれば、異常なまでの人手不足と相俟って、
25年には全国の荷物の28%、30年には35%が運べなくなると言われてます。

物流業界は身構えねばなりません。その対策も兼ねてでしょう。
犬猿の仲だったヤマトと日本郵便が・・ついに協業に踏み切りました。

1984年・ヤマトは国や日本郵便と激突しました。
荷物の宅配は・・国の既得権。郵政省は運送会社にはやらせないと・・・
宅配物に入っている「添え状」が郵便法で郵政以外には配達できない
「信書」に当たると、ヤマトに警告しました。

同社当時の小倉昌男会長は・・・立件するならしてみろ。独禁法に違反しているのは国の方だと・・99年には郵政相を相手取って独禁法違反として公取委に申告。徹底抗戦の様相を呈しました。それが宅急便の始まりであり、郵政の民営化にもつながっていったのです。

その後、「添え状」は郵便法で「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、
又は事実を通知する文書」と定義され「信書」に当たらないとなり・・・
ヤマトはメール便として書籍・雑誌・カタログなどの軽量な荷物を送り主から引き受け、受取人の郵便受けなどに投函する運輸サービスとして展開。物流各社が追従、日本郵便が提供する普通郵便よりも割安で発送できる料金設定でシェアを伸ばしました。

ヤマトは、そのメール便の配達を日本郵便に全量委託、手放すと発表。
「信書」を巡る対立に幕を下ろしました。ヤマトは人件費や輸送コストの高騰を受け、4月に宅配料金を値上げしました。ネット通販市場の拡大で宅配便の取り扱い個数の増加が見込まれます。メール便などの配達業務を切り離し、宅配事業に絞り、経営の効率化を図るが良いと判断。

一方、日本郵政も郵便物の取り扱いが減少するなかで、ヤマトのメール便を取り込むことで、積載率を上げ、収益が改善できる。双方ウィンウィンの関係となるのが、この協業のようです。背に腹は変えられないことが、歴史的な和解につながったってことでしょう。

24年問題が背景にあることは確かですが・・・
いつでしたか・・・四半世紀前になりますか。あのヤマトの小倉会長が日本2大航空会社に立ち向かった・格安旅行会社・HISの社長に握り飯代だと寄付したことが頭から離れません。

日本の省庁が既得権益を振り翳し、省益のために社会を捻じ曲げている・・
物流業界はまさにその巣窟です。そこに風穴を開けたのがクロネコヤマトの宅急便です。そのヤマトが日本郵政と。隔世の感があります。

郵政も民営化されたのです。現社長は時代を読むことのできる有能なトップです。郵政の側にも隔世の感があるかも知れません。ネット社会、郵便物が生き残れるかどうか?世の中はこのようにして変化していくのだと思います・・・

でもです。一つ言えることは、25年には間に合わないかもしれませんが
輸送は自動運転の時代です。トラックの運転手は必要ない時代がそこまできています。そのことはどうなのでしょうか。Goto

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