スルメイカ

イカは人工飼育できない唯一の動物だ(ノーベル賞受賞・ローレンツ博士)

酒はぬるめの燗がいい〜。肴は炙ったイカがいい・・・
しみじみ呑めば〜しみじみ〜と〜
イカといえば、八代亜紀さんの舟唄が耳に残る・・

私もイカ好きです。最近は歯が悪いので硬いスルメは苦手ですが、
一夜干しのイカを炙って醤油・マヨネーズをちょっと付けて頂くのが堪らない。
舟唄のイカは多分ですが。日本海のスルメイカのことではと想像します。

スルメイカは冬生まれと秋生まれがあり、大きな群れをつくって長距離を
回遊するそうです。成長のスピードは早く、10ヶ月で成熟、30センチほどに。
寿命はわずか1年、親になるイカが減ると簡単には回復しないのが特徴(中日新聞夕刊)・・

90年代には300トン近い水揚げがあったのですが、昨今では不漁。
21・22年はピーク時の約15%、42万トンと過去最低水準まで落ち込んでいます。そういえばです。久々に近所のスーパーに行ったのですが・・一ぱい「400円」の値にはびっくり。一夜干しだと「600円」でも買えない。不漁を実感しています。

因みにですが。スーパーで野菜・トマトの店頭価格にびっくりしました。
だって4個入りのパックが650円ですから。市場関係者に言わせると夏に高温が続いて生育不良が発生、北海道や福島・千葉などで生産が落ち込んだからだそうです。市場の入荷は例年の半減だそうです。そりゃ倍の価格になりますね。

「トマトパニック」になっていて、米国・カナダなどから緊急輸入の措置が取られているとか・・・たかがトマトですが、どこの家庭の冷蔵庫にも入っています。
サラダに入れたりしますが、外食産業のメニューには欠かせない野菜です。

価格が落ち着くには時間が掛かりそうです。例年には11月の半ば頃から
熊本県産の流通が出回りますので、それまでは高値が続くそうです。

トマトの高騰は一時的で収まりそうですが・・・
スルメイカはそうはいかないようです。中国をはじめ各国のイカ需要が
旺盛だからです。漁場では世界的なスルメイカ争奪戦が繰り広げられていて、
日本海では中国船・北朝鮮船が縦横無尽にスルメイカを追っているようです。

それと、いやそれよりも・・・不漁の要因は地球温暖化です。
なんでもかんでも・・すぐに地球温暖化で片付けるのはイカだけに
如何なものかと思うのですが、産卵場所となる東シナ海や日本海の
海水温上昇の影響は確かにあるようです。

海洋環境が良ければ、外国船が減れば資源量は戻るはず。にも関わらず、
ひたすら減少しているのは海洋変化も大きいのではとの分析もあながち間違いではないようです。

となりますと・・日本は四方を海に囲まれているのです。
聞いたことはありませんが・・・「イカの養殖」ってことになりませんか?
「イカは人工飼育できない唯一の動物」と言われているのですが・・
沖縄の科学技術大学大学院(OIST)で、養殖に成功しました。

実用化には越えねばならぬ山がいくつもあるようですが・・
スルメイカではなく・・イカの中でも最も高級品と言われるアオリイカです。
水槽で見事に育っています。イカの種類って500種もあるそうです。
養殖ができれば・・・温暖化・外国船の乱獲・・関係ありませんね。

考えてみれば・・トマトも水耕栽培で安定供給が可能です。ただし規模が
需要に追いついていないだけです。いずれは価格が落ち着く時代がくるのでしょう。今は大変ですが。人間の叡智に感謝しましょうか・・
今夜はちょっと高値ですが・・・イカの一夜干しを炙って一杯やるか。
ご同輩・・・Goto

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