修養する人はする。しない人はしない。

リスキリングを押し付ける日経リスキリングコンソーシアムの傲慢。

今日から6月です。
もう1年の半分が。そう思うともう少し時間を有効に使って、
自分自身を向上させねばと思う。でないと人生の目標に届かぬ。

日本企業が活力を失い国際競争力を低下させている。その原因は二つある。
一つは企業が組織変革に臆病になったから。もう一つは付加価値の源泉である人材の能力を引き出せなくなったことだと。その打開策はリスキリングである。
最近発足した日経のリスキリングコンソーシアムが提言する。

そもそもだが、リスキリングとは何か。
端的に言えば「職業能力の再開発、再教育」のこと。近年では企業のDX戦略において、新たに必要となる業務・業種に順応できるよう従業員がスキルや知識を再習得する意味で使われている。

日経のコンソーシアムは、社会全体で「リスリキング」に取り組まなければ、日本は硬直したまま、未来永劫に活性化しないと大仰に捉える。まぁ、時代は日々刻々と変化している。生馬の目を抜く経済戦争で、イノベーションを繰り返さなければ、企業が生き残れないことは間違いない。その解決手段として、企業の人材をリスクングするのは理解できる。

しかし、働く人々の全てにリスキリングが必要だと断定するのは、思い上がりも甚だしい。コンソーシアムのアドバイザリーボードのメンバー、名前は出さないが。個人にリスキリングは最も確実性の高い投資という言い方をするが・・
上から目線すぎる。

企業への提言に至っては企業がリスキリングの体制を整えねば企業価値をなくすというが、OJT(職場内訓練)をやっていない企業に求めても無理な話である。ましてや、今まさに進行中のAIなどIT技術・スキルを駆使しないと生産性の向上は見込めない。というのも、机上論で肯定できない。

提言はDXツールを「使いこなすスキル」の習得を重視せよと、言うが、その発想に中小企業の経営者がなれるかどうかが問われるのであって、それは生存のために必然で合ってリスキリングとは言わないのではないか。

提言のお決まりである。政府への提言に至っては如何にも綺麗事過ぎる。職業訓練所すら国民は満足に活用していない現状をどう見るのか。社会全体の生産性を高めるには働き手の8割を占めるローカル産業(中小零細企業のことをこう言う言い方をする人たちを私は信じない)や医療・介護・物流・建設などのエッセンシャルワーカーに対する公的職業訓練や費用助成を強化せよと声高にいう。

こんな提言に何の意味もない。国民の意識が奈辺にあるかの理解もせず。
リスキリングのために政府に予算を増やせと言っても意味がない・・
まず、今の制度の活用実態を正確に把握することなくして、リスキリングなどと言葉を変えても、空回りを繰り返すだけである。

22年・岸田政権が掲げた「新しい資本主義」において、リスキリング支援に注力すると表明した。失われる雇用から新たに生まれる雇用へと円滑に労働力を移動できるように、企業が従業員のリスキリングを推奨することを奨励している。

この日経リスキリングコンソーシアム・アドバイザリーボードの提言は
その主旨を踏まえてであろう。リスキリングがこの国の停滞から脱却する金科玉条かの如く言うが、国民の誰に向かって提言しているのか。提言することに酔っているような提言こそが、この国の経済の停滞の大きな要因であることに気づくべきである。

「国民は愚にして賢なり」である。自ら修養する人は、職業や年齢に関係なく、学ぶ心を失わない。新しいスキルを身につけることによって人生が輝くと思う人はリスキリングであろう、学習であろうとやる。でも、学生時代の古くなった知識で頑張る人はそれで良いではないか。もちろん、そんなことに全く無頓着で生きている人も、それはそれで良いではないか・・国民にリスキリングを押し付けるこんな提言にげんなりである。Goto

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