陸上養殖サーモンが首都圏のスーパーに。
第一次産業をどうするのだと、叫ばれて久しい。
とりわけ、食糧の自給率を上げるのは喫緊の課題である。
我が社でも、日本全国で約1300万部発行の地域みっちゃく生活情報誌で
取り上げるべき、社会課題だと思っている。
自給率を上げるに、幾つも方法があるわけではない。
国産のものを食べよう。そのためには、農業の工業化を図り、生産性を上げ、コストを削減することである。漁業もそうである。乱獲とは申さないが、海洋の資源が減少するなら陸上養殖するしか方法がない。
陸地で魚介類を人工的に育てることは、農業の改革よりも進みそうである。
規制が及ばず大手企業が、生産に乗り出しているからである。
9月下旬・商社丸紅は静岡県でノルウェーの企業と共同で陸上養殖してきたアトランティックサーモンを出荷、首都圏のスーパーなどの生鮮食品売り場で販売を開始した。計画では25年末までに4700トンを。27年には国内最大規模の年5300万トンに増やす。
なぜ、陸上養殖なのか。
天然魚は地球温暖化や乱獲の影響で水揚げが安定しない。
海面養殖は水温や寄生虫といった自然環境の影響もある。
それに何よりも漁業権が必要で新規参入が難しい。
大手企業が資本力を生かして大規模に生産するには陸上養殖が最適だからだ。
単純な生産コストは海面養殖に比べ割高だが、大規模生産による効率化や
消費地までの輸送短縮による鮮度の向上、環境負荷軽減などを総合的に考慮すると十分に収益性を確保できる。丸紅との共同開発・ノルウェーの責任者は「想定通り良質の魚が仕上がっている。数年後には同規模の養殖場を新たに建設したい」と意気込む。
国内の陸上養殖サーモン事業は、三井物産・三菱商事・伊藤忠もそれぞれに別のパートナーと組んで参入している。いずれも今後3年程度で本格出荷が始まる見込みだ。各社の年間計画を総すると、合計で2万1300万トンとなり、主要供給元のノルウェーからの輸入3万トンに迫る。そうなると自給率向上につながる。
さらに設備投資をすれば、生産量が上乗せされ、輸出産業に育つことも可能だ。
現時点では、養殖できる魚の種類は限られているが・・・NTTも陸上養殖でエビの生産を始めた。サーモンをきっかけに、様々な魚が陸上養殖できるようになれば、漁業が輸出産業に成長する可能性も十分にある。夢のある話ではないか。
そのためには二つのことが必要である。
第一次産業を守るために、他の参入を許さない規制がある。(特に農業はひどい)それを解除すれば、さらに参入者が増え、水産業が活発化するのではないか。もう一つは、全国各地にある農業試験研究所とか漁業研究所を充実させることである。
充実するという言い方は綺麗事である。
第一次産業の育成、発展のために、国の予算を増やせってことだ。
だってそうでしょ。自給率を上げることがこの国の喫緊の課題なのですから。
すでにやっている・・・というならば、増額せよってことです。
陸上養殖・アトランティックサーモン・どんな味がするのか?
まずは食べてみたいねぇ。近畿大の水産学部で陸上養殖されたマグロは
食べたことがあるが。天然魚と比べても遜色ない。美味かった。Goto
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