読書の秋

本の卸業者が「本屋」のススメを・・・広告する。

秋の夜長です。ススキとだんごを供え、月を眺めながら・・
ぬる燗徳利の酒をぐい呑みで、ちびり、ちびりやるのは最高です。

ススキは別として、だんご。最近この地方で売れている「羽島だんご」
甘辛の醤油味が絶妙。これが美味い・・・左手に文庫本など持って、
だんごを頬張るとなお良い。いつの頃からこんな酒の飲み方になったのか?
カラスが鳴かない日はあっても、歓楽街柳ヶ瀬を徘徊していた頃が懐かしい。

文庫本を片手に持ってちびりが至福のひと時。それで思いだしたのが・・
秋の読書推進月間(BOOK MEETS NEXT)(10月26〜11月24日)が
始まった。讀賣新聞が読書推進月間に妙に力が入っていることを。

読売新聞が読書月間に合わせ全国調査を実施した。
本をもっと読みたいと「思う」と答えた人は「どちらかといえば」とを
合わせて73%、「思わない」の26%を大きく上回った。

「思う」人を年代別に見ると、30歳代84%、40歳代79%、
18〜29歳と50歳代が各73%で働き盛りの世代が比較的高い結果となった。
でもです。この1ヶ月間で本を一冊も読まなかったと答えた人(51%)に限ると。読みたいと「思う」人は56%に上った。これってどういうことか?
読みたい思っているだけで読まなかったってこと。なぁ〜んだである。

読まなかった人に理由を訊ねると「時間がない」44%
「読まなくても困らない」33%「読みたい本がない」32%となる。
何事でもそうですが。「やりたい」と思うことと「やった」とは随分違う。
讀賣はその辺りをどう分析しているだろうか?
やりっぱなしの調査では興醒めではと思うのだが・・・

読みたいと答えた人が読んだに変わるのが新聞の役割だと思うのだが・・
そんな記事が掲載されると嬉しいですね。

それとこの調査。
国や自治体が書店を支援することも問うている。
「賛成」と答えた人は79%に上り、反対の18%を大きく上回った。
書店が減ることに不安を「感じる」と答えた人は63%、「感じない」が
35%。不安を感じると答えた人のうち書店支援に「賛成」は89%となっている。また、住んでる地域で書店が減っていると「感じる」は65%、「感じない」は33%だっともいう。

経産省が設置した大臣直属の「書店振興プロジェクトチーム」は
関係省庁連絡会議を年内をめどに設置し、書店支援の取り組みを強化する。
書店を文化の発信拠点と位置付け、本の流通が滞れば国家に存立基盤や競争力を左右する懸念があるからとしている。

随分入れ込んだ調査記事だが・・・こんな話をすると叱られるだろうか。
岐阜市は全国で4番目となる百貨店のない県都だ。岐阜高島屋が7月末に撤退した。今でも、市民から惜しむ声が多い。なぜ、高島屋は撤退したのか。簡単である。岐阜駅から18分で名古屋駅の高島屋に行ける。岐阜の高島屋とは比べ物にならぬほど、品揃えが豊富。

だから岐阜の人たちは名古屋の高島屋で買い物をする。
岐阜高島屋の客足が減り、経営が成り立たなくなった。

そうなのです。なぜ、書店が減るのか。本を買わない人が増えたからです。
それを、文化の発信拠点が書店だと無理矢理こじつけて支援したところで、
それはいっときのことです。商売は商いと申します。国が支援を続けるには必ず限界がある。讀賣が「本屋」を求める人が多いと調査したところで、所詮は綺麗事に過ぎない。本を読みたい人はどんなことがあっても本を手に入れるものです。まぁ・・・そう言ってしまえば身も蓋もないのだが・・・

そこはそこ。10月25日付、読売新聞朝刊に「本屋をやりませんか」
誰もがもっと自由に、本屋を開くことができる。そんな未来がやってきたら、人と本との関係に、新しい風を巻き起こすことができるかも知れない。あなたならどんな思い思いの本屋をつくりますか・・・と呼びかける。
そんな全面広告が掲載された(写真参照)

そうなのです。讀賣新聞の「秋の読書推進月間」への入れ込みは・・
この広告をバックアップするのが目的だったようです。
本屋を増やす。面白いじゃないですか・・・Goto

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