漁師がいなくなる。

水産業が変わる。すでにファーストペンギンが現れた。

まぁ・・・どうなっているのでしょうかねぇ。
漁業の話です。1980年代前半・45万人の漁師がいた。漁獲量は年1300万トン。自給率9割、魚は食卓の主役・日本の漁業の黄金期だった。
あれから40年、漁獲量も漁師も7割減。漁師は2050年に7万人になるという。

林業がとうの昔に衰退、農業も従事者の人口が減少。高齢化は止まらない。
農林水産業っていったいどうなるのでしょうか・・・このままではあかん。
なんて言われ続けてもう何年に、いや何十年にもなるのに。

日本には農林水産省・水産庁という中央省庁があるのに・・・
いったい何をやっているのでしょうか。ただ黙って減少するのを見ているだけなのか。それとも時代の流れには抗えない。現状を維持するのに精一杯って思っているのか、大きな展望を描くのは政治家の仕事で、関係ないと思っているのでしょうか?

それとも、色々知恵を出してやっているのだが・・・現実はそんな簡単なものではないと開き直るのでしょうか?岐阜県は海なし県です。私は魚好き。この10年だけをとってもサンマは9割減・スルメイカは8割、マグロ・カツオで4割、サケ・アジ・サバで3割、ヒラメ・カレイで2割減少しているのです。

「すし屋にネタがねぇ」ってなことになるのも遠くないのではないか。
回転寿司が開店休業ってことに。そんな愚痴を言うために、ブログを書いているのではない。この悲観的な状況を解決する方法がいくつもあるわけではないが。

誰もが納得できる解決方法が一つある。考えてみたい。
青森県の水産加工業の経営者がこんなことを言う。日本の水産業は伸びしろしかない。「確かに自然相手で厳しい面はある」「人々の健康的な生活に資する極めて重要な仕事である。地域や漁業関係者の力を借りれば着実に成長する産業だ」

端的な例である。「海で養殖するには地域の漁協の正式組合員にならねばならない。企業が取得することは非常に困難である」その水産加工業のトップは事業化の構想から1年以上、漁協に何度も何度も足を運んでやっと組合員の資格を得た。

そんな面倒なことをしなくても、政治力で企業に解放すれば良いと思う。
それこそ規制緩和することで、漁業は個人事業主という発想から大きな資本による企業経営になれば、40年前の黄金期には戻れないままでも、漁獲高は飛躍的に伸びるだろう。それが解決方法の一つだ。

でも、この経営者はいう「漁師は一枚の板の下は地獄・命のやり取りで成り立っている」「仲間に加えてもらうにはそこから逃げない」覚悟を示さなければ知ってもらうことはできない。地域ぐるみで話し合いを続けることで、次第に協力者が増え、事業が前に進む。その誠意があってこそ、海と魚を熟知する漁師らがゼロから挑戦を助けてくれる。

そうなのです。第一次産業の復興は、漁師がこのままではあかん。
なんとかせねばと本気になることが、手間が掛かるようだが最も手っ取り早い解決方法です。それには、いかなる面倒なことに直面しても腹を括って、水産業を育てるという企業の覚悟と、農水省や水産庁が日本の水産業の将来のためにという大義を持って粘り強い交渉をすることが解決の唯一の道だ。

既得権益をぶち壊すのです。最初はなかなか進まないだろう。
でも「窮して変じ変じて通ず」と申します。漁師が変わるのは遠くない。
青森の経営者は、ファーストペンギンになってくれた。
それに続く、ペンギンが出てくればしめたものである。必ずいる。
そう思うのだが。如何でしょうか。Goto

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