心のままに生きただけ

青春の墓標がまた一つ、ブルーライトに照らされて。

なんてことはないのだが。何となく淋しいねぇ。
「もしもピアノがあったなら」名優だった西田敏行さんに続いて、
歌手で俳優のいしだあゆみさんが鬼籍に入った。

まぁ・・・彼女も団塊世代。25年問題の渦中にある団塊世代の青春の灯りが
また一つ消えた。懐古趣味もないし、青春時代を懐かしむこともないのだが、「街の明かりがとても綺麗ね、横浜」「ブルーライトヨコハマ」・・・この歌詞と共に。いくつかの青春時代のシーンが、その時に一緒だった友たちの顔と共に蘇ってくるのだから、人間の脳みそってどうなっているのでしょうかねぇ。

晩年の痩せた姿に「俺の青春をぶち壊さないでくれ」などと、
己の禿頭と貧相な顔を棚に上げて思いながら、傲慢さに苦笑いをしたものです。音痴の私でも「ブルーライトヨコハマ」以外にも「あなたならどうする」「砂漠のような東京で」「太陽は泣いている」などのヒット曲は口ずさむことができる。

映画でも。「男はつらいよ」は多すぎてヒロインだったのは知らないが。
「青春の門・自立編」・「駅・STATION」では高倉健さんの女房役は覚えている。テレビドラマでは「北の国から」が印象に残る。お母さん役をやる年になったのだと。

NHKの朝ドラ「てるてる家族」になった(見てはいなかったが)作家の故なかにし礼さんが読売新聞の連載小説「てるてる坊主の照子さん」でいしだあゆみのファミリーを知った。浅田真央さんのようなフィギュアスケートの選手だったことを知った。スケートが高嶺の花だった頃の話だ。(今でもそうかな)

人が亡くなる。あぁそうかと思えなくなったのは。
人は必ず死ぬ。いつ死ぬかはわからない。「いま・ここ」を限りを尽くせ・・
そんな死生観を持つようになったからかも知れない。

最近、耳に残った曲がある。
南こうせつの「男が独りで死ぬときは」です。

男が独りで死ぬときは
持ってゆくものは 何もない
春なら 桜の樹の下で
冷やの酒などあればいい
面白かった 人生だけど
生まれた前に帰るだけ
さらば 友よ Ah~~ 一足先に
借りは向こうで返すから・・・

この世は終わる 人生だけど
心のままに 生きただけ
さらば友よ Ah~~一足先に
借りは向こうで返すから。

さて、我ら団塊世代のマドンナ。いしだあゆみさんなら・・
「女がひとりで死ぬときは」どんな「街のあかりを・心のままに」
読み込んだであろうか。青春の墓標に・・・合掌。     後藤拝

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