消えたコメなんてない

農水省の省益が米価を高騰させているのでは・・・・

私は基本的にコメを食べない。意識して食べないのではない。
子供の頃からコメを食べる習慣がなかったからである。
パンで生活するような、洒落た家に生まれたわけでもない。ただ、子どもの頃から朝食は食べない。昼食は学校。夕食はコメなしでおかずが中心だったから。

東京で学生生活を送るようになってからは、インスタントラーメンばかりで
コメは滅多に食べなかった。社会人になって、酒はコメでできている
酒を飲んでいればコメを食べていると嘯き、コメはほとんど食べない。

家庭を持っても。家族団欒で食事なんてなかった。
そうですよねぇ。24時間働けますか。「手には技術・心に日の丸」経済戦争での企業戦士だったのですから。毎晩、宴席で飲んだくれ。コメを落ち着いて食べる習慣などなかった。健康についても別段深くは考えない。炭水化物を食べると太る。だからコメを食べない方が良い。振り返ればそんな食生活だった。

だからです。コロナ禍で家庭で夕食をとる機会が増えたのですが、
ご飯を炊くことは稀。でも食料品の高騰でエンゲル係数は高くなっているが。

コメの全国平均価格が初めて4000円を突破した。
農水省はコメ5キロあたりの平均価格が前年同期と比べ99.3%高い4077円となり。10週連続で上昇したと発表。2倍です。他の食料品はそこまで高騰していない。巷では政府が渋々備蓄米を放出したので、値下がりするだろうと楽観視しているが・・果たして本当に下がるのだろうか?

農水省は「コメは足りている」と強弁する。24年産米は18万トン増だった。
JAなど大手集荷業者が集めたコメは23万トン減った。卸売業者らがコメを隠しているから米価が高騰するのだと、いう。「昨夏の『令和の米騒動』の時も
異常な米価が続く今も、悪いのは卸売業者たちだと批判するが。

どうも本質はそこにはない。なぜ農水省は「コメが足りない」と認めないのか。
理由は一つ「米価を下げたくない。足りないと認めたら、備蓄米を放出したり、減反の手を緩めたりして、コメの供給量が増え、米価が下がってしまう」
農水省にとって重要なのは米価であり、高いコメを買わされる消費者のことなど眼中にない。腐ってますね。

この米価って異常です。輸入米の急増がそれを物語っている。
コメの輸入には1キロ・341円の関税がかかるが、それでも輸入の勢いは止まらない。コメの関税は1999年度スタート。輸入はありえないと思われる高関税だ。しかし、その関税を楽々と飛び越えて普通の主食米が輸入される。今の価格がいかに異常かってことだ。

それでも農水省は米価を下げさせない。
今回放出した備蓄米。 JAなど大手集荷業者に限定。卸売業者やスーパーに調節すれば、価格の下落が期待できる。なぜ集荷業者に売り渡すのか。彼らは在庫調整できるからだ。価格を下げなくするのが可能だ。

もう一つは放出した備蓄米と同量を農水省が原則買い戻すとした。
前代未聞の対応で、買い戻せば確実にコメの供給量が減る。備蓄米を放出しても米価が下がらないようにするトリックだ。

そうなのです。農水省は米価をいじりたくないのです。
農業行政を差配できなくなるからだ。つまり省益を守りたい
その一点で「減反政策」を変えないのだ。

どう考えもコメが不足している。
だったら、減反をやめれば年1000万トンは生産できる。
今、国民が食べている量は700トン。残りの300トンは輸出すれば良い。

そこでだ。輸出を本格化させるには減反を廃止する。
そして「コメの輸出促進策を推進する。だって農水省にコメを輸出するっていう発想がない」のだから。そこで問題になるのは国際競争力を上げること。
そのためには価格が問題になる。減反をやめて農家にコメをどんどん作ってもらう。米価を下げることで国民もコメが買いやすくなる。

米価下落(農水省がもっとも恐れていること)で『主業農家』(農業を主とする農家)が赤字になれば、政府は直接支払いで補填すれば良い。このような政策は欧米では普通に行われる。農水省のコメ政策を根本から変えるのだ。

コメが余って、減反せざるを得なくなったのは、私のように国民がコメを食べなくなったからだ。同時にコメを輸出するなんて発想すらなかった時代の政策だ。
消えたコメなんてない。農水省の省益がそうさせているのだ。Goto

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