不登校増加は社会課題だ

35万人の小中学生が学校に行かないなんて国がありますか?

文部科学省が発表した。2024年度、小中学校の不登校児童生徒は35万3970人。過去最多である。

実に26人にひとり。30人学級なら、ひとクラスにひとり以上の席が空白、学校に行かない計算になる。悲しいではないか。せっかく就学の機会が与えられているというのに。しかも12年連続で増加、5年前のほぼ倍だという。

いじめの認知件数も76万件を超え、これも過去最多。数字は社会の鏡である。にもかかわらず、文科省は毎年「調査結果」を発表するばかりで、実効ある対策を示さない。

調査するだけなら民間に委ねた方がよほど信頼できる。病気や経済的理由を除き、年間30日以上登校しない児童を不登校と定義するなら、初期の兆しに対して、医師やカウンセラーが訪問し、家庭とともに支える体制を整えるべきではないか。それこそ行政の責務である。文科省の責任を問う。

メディアにも責任がある。「無理に学校に行かなくてもいい」との報道姿勢が、不登校を“選択肢”のように錯覚させる面は否めない。自由や多様性の名のもとに、義務と責任の視点が失われている。学校には行かねばならないのだ。

親もまた、「朝起きられない」「体調が悪い」から仕方ないと、理由をすり替え、学校に行かせないことを正当化してはいないか。子どもの権利を尊重するとは、甘やかすことではない。導き、支えることだ。甘い。

我が社は全国1280万部の『地域みっちゃく生活情報誌』を発行し、全戸配布を通じて児童虐待防止「189運動」を推進している。親が勇気を出して189番に電話するだけで、児童相談所や行政、警察が連携し、問題解決に動いてくれる。つまり、“つながれば、道はひらける”ということだ。

不登校問題も同じである。学校、家庭、地域、行政、そしてメディア。それぞれが責任を自覚し、子どもの未来を思って寄り添えば、必ず減らすことはできる。35万人もの子どもたちが学ぶ場を自ら防いでいる現実を、社会全体の痛みとして共有すべきだ。

これは教育の問題であると同時に、日本社会の課題である。不登校増加を他人事とせず、社会課題として認知すれば、必ず道は開ける。Goto

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