──気概なき国は衰える
IMF(国際通貨基金)が発表した最新の世界経済見通しによると、2030年の日本の名目GDPは5兆1198億ドル。インド、英国に抜かれて世界6位へ転落するという。高度経済成長を肌で知る世代としては、どうにも納得がいかない。日本は常に世界を牽引する先進国であるべきだ。
IMFの推計では、インドが14億人を超える人口と旺盛な消費、企業の投資を背景に、年率6%台の高成長を続け、29年にはドイツを抜き世界3位に浮上するという。英国も移民政策による人口増加で成長を維持し、5位に上昇。一方、日本は0.5%前後の低成長が続き、相対的に順位を落とす。
確かに、人口減少は避けられぬ現実だ。しかし、問題は数の問題だけではない。
名目GDPは為替や物価にも左右される。円安の進行で、日本のGDPはドル換算で3割も目減りしている。加えて、国全体に「勢い」がない。少子高齢化は結果であって、原因ではない。国民一人ひとりが、経済成長を“自分事”として捉えなくなっていることこそ、最大の病である。
国が豊かでなければ、国民は豊かになれない。ところが今の日本では、「権利を守れば幸福になれる」と錯覚している人が多い。働く意欲、挑戦への気概が薄れ、国の成長を誰か任せにしている。経済成長を軽んじた国に未来はない。
私は思う。日本が再び世界をリードする国になるには、「数字」よりも「志」を取り戻すことだ。勤勉、創意、そして上機嫌。この国を支えてきた美徳を思い出すことだ。「働いて、働いて、働く高市内閣」にちょっとは期待したい。
世界6位転落を笑って済ませてはならない。危機感を持たねば、国は緩やかに沈む。GDPの順位は、国民の気概の順位でもある。日本よ、もう一度立ち上がれ。Goto


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