11月、児童虐待防止推進月間を終えて・・・
中広グループは、子ども家庭庁が主管する、児童虐待防止推進月間に呼応し、日本オレンジシンボル運動を全国で展開、1500ヵ所の施設・建物をオレンジに染めた。
この活動の目的はただ一つ。「189(いちはやく)」の周知徹底である。
児童虐待を見聞きしたら、とにかく迷わず189番に電話してほしい。その思いを胸に、全国の同志が心を合わせ、本質に向き合い、徹底して行動した。どこまで浸透したかは分からない。しかし、参加してくださった全国の皆さまに、あらためて深く感謝申し上げたい。
北は北海道から南は沖縄まで、1500ヵ所がオレンジに灯った。
これは我々の必死の思いであり、大きな誇りである。
だが、虐待は11月の運動だけでなくならない。むしろこの運動を通じて関心が高まった「ここから」が本番である。とりわけ師走の12月は、家庭内にストレスがたまりやすく、虐待が増える傾向がある。だからこそ、一過性にしてはならない(メディアの報道が特徴的である)継続、そして継続である。
人々の理解を求めるとは、かくなるモノである。
中広グループは毎月1250万世帯に地域みっちゃく生活情報誌を直接届けている。他のハッピーメディアと合わせれば1460万部。家庭にフリーメディアを届け、地域の元気を願う我々の使命は、児童虐待防止にもつながる。
その覚悟を、誌面を通じて今後も明確に示していきたい。
しかし、現実は残酷だ。
たとえば東京都内で起きた信じがたい事件。幼い娘に食事を十分に与えず、同年代の平均体重の7割以下。自力で歩くこともできない状態に追い込んだとして、母親と内縁夫が逮捕された。8月上旬、やせ細った娘を見た学童関係者が189番へ通報。児童相談所が保護に動き、警視庁は自宅の「見守りカメラ」から日常的な暴力を確認した。捜査関係者は「発見が遅れていたら命はなかった」と語る。胸が痛む。これが児童虐待の現実だ。
もう一つ、子どもの自殺が急増している問題がある。SNSの影響が取り沙汰されるが、子どもの世界は大人が思う以上に複雑で、重層的だ。社会全体で見守る仕組みをつくらねば、防ぎようがない。虐待とは性質が違えど、これも深刻な「子どもの危機」である。
だからこそ、師走だからと気を緩めてはならない。我々大人が、地域社会が、子どもたちに細心の注意を払う季節である。
児童虐待を一つでも減らすために。
子どもの命を一つでも救うために。
1460万部のフリーメディアを手にする全国の読者に、私たちの強い意志を、これからも届け続けたい。Goto


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