ラジオという時間、広告という可能性
一昨年の七月から、ラジオ体操を日課にしている。朝六時二十五分になると、スマホが「まもなくラジオ体操が始まります」と知らせてくれる。六時半。実に良い時間だ。早すぎず、遅すぎない。誰が決めたのか、この絶妙な設定に毎朝感心する。
たいていは“ラジオ体操の先輩”が携帯ラジオを持参し、二人で体を動かす。始まるまでの東海・北陸地方のニュース、続く天気予報、そして「新しい朝が来た 希望の朝が」で始まるあの歌。
動画でいつでもできる時代に、あえてラジオで、六時半に体操をする。
この「わざわざ感」が、一日の気力を確かに呼び覚ます。
ラジオと聞いて思い出すのは、オールナイトニッポンだ。深夜放送を聴きながら受験勉強――そんな殊勝な話ではない。深酒をして、パーソナリティの声を子守唄に眠りにつく。ラジオが一晩中、耳のそばにあった。それが青春の一コマだった。
テレビ全盛の時代を経ても、ラジオは消えなかった。むしろ今、音声コンテンツの再評価とともに、再び存在感を高めている。二〇二四年、オールナイトニッポンが仕掛けたイベントでは、東京ドームに五万人が集まり、ライブビューイング、オンライン配信を含め十万人を超える熱狂を生んだ。
広告業界では、これを「静かな熱狂」と呼ぶ。タイパ、コスパが重視され、即効性が求められる時代。ラジオは、聴き手が自ら耳を傾けなければ始まらない。不確実で、遠回りで、じっくり向き合うメディアだ。だからこそ、深く刺さる。
我が社・中広グループが発行する地域みっちゃく生活情報誌も、
同じ系譜にある。
日本全国で1250万部を発行し、一軒一軒、家庭に届ける紙のフリーメディア。古くさいと言われることもある。だが、紙には「手に取らせる力」「生活動線に入り込む力」がある。
近年、その紙はQRコードによってデジタルと結びついた。誌面で認知をつくり、QRで行動を促し、WebやSNSへと導く。ここにラジオの「静かな熱狂」を重ね合わせることができればどうだろう。
ラジオで想いを温め、紙で確実に届け、デジタルで行動に変える。これは単なるクロスメディアではない。中広だからこそ実現できる“「トリニティ・メディア広告戦略」である。
日本全国、家庭の食卓にもっとも近い紙を持つ広告会社だからこそ、ラジオの熱を逃さず、生活者の背中をそっと押すことができる。ラジオ体操が、毎朝六時半でなければ意味を持たないように。
広告にも、然るべき時間と、然るべき場所がある。その最前線に立てることを、私たちはもっと誇っていい。Goto
解説・・・
「トリニティ・メディア戦略」
ラジオ・紙媒体・デジタルを三位一体で束ねる中広独自の広告手法。


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