日経新聞を開き、伊藤忠商事の全面広告に目が留まった。(写真参照)
「MADE IN JAPAN」
「いまこそ、メイドインジャパンを仕立て直せ」
私は思わず新聞を置き、しばらくそのコピーを見つめた。年齢のせいなのかもしれない。喜寿を迎え、涙脆くなったからだろうか。
それとも、日本という国の行く末が気になって仕方がないからだろうか。あるいは、人間学を学び続ける中で、人の志や国の在り方を深く考えるようになったからかもしれない。
しかし、この広告を読んで胸に込み上げてきたのは感傷ではない。「負けてたまるか」
「このまま沈んでしまってなるものか」そんな激しい闘志である。
団塊世代は後期高齢者になった。
私もその一人だ。だが、だからといって逃げ切りを決め込んでよいはずがない。戦後の焼け野原から日本を立て直した先人たちは、愚痴を言う前に働いた。知恵を絞り、汗を流し、未来を信じて前へ進んだ。私たちはその背中を見て育った世代である。責任がある。
広告にはこうあった。「人口は減り、市場は縮み、経済も鈍化している。日本は世界をリードすることをどこかで諦めていないだろうか」
諦めたらあかん。これは私の口癖である。
人間も企業も国家も、衰退は外から来るのではない。まず心が諦めるのである。挑戦をやめ、現実を受け入れた瞬間から衰退は始まる。
広告はさらに続く。「この国には世界が認める品質がたくさんある。でも品質にこだわるだけでは選ばれない時代になった。足りないのは世界の欲しいものをもっと聞くことだ」まさにその通りだと思う。
良いものを作れば売れる時代ではない。相手が何を求めているのか。どんな困りごとを抱えているのか。その声に耳を傾けることが大切なのである。
経営も同じだ。独りよがりは滅びる。
お客様に寄り添い、社会に寄り添い、人に寄り添う者だけが生き残る。
伊藤忠グループがエドウィンと共に、日本の職人技術を世界の需要に合わせて磨き上げようとしている姿勢に私は深く共感した。
青森や秋田の工場で培われた技術。職人の魂。日本人の誠実さ。それらを世界に通用する形に仕立て直す。これこそ挑戦である。
そして私は思う。これはジーンズだけの話ではない。地域も同じだ。
私たち中広グループが発行する地域みっちゃく生活情報誌も同じである。地域には埋もれた魅力がある。素晴らしい店がある。懸命に働く人がいる。温かい文化がある。それらを発掘し、磨き上げ、世に伝える。日本の地域を元気にする。それが私たちの使命であり、志である。
喜寿になった。
だが、まだ喜寿である。老いてなお志を失わず。変化を唯一の永遠と心し、挑戦を続ける。日本はまだ終わっていない。地方もまだ終わっていない。
そして私自身も、まだ終わっていない。「MADE IN JAPAN」この言葉を誇りとして。日本の未来のために、老骨に鞭売って。今日も一歩前へ進みたい。Goto




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