「もし、新聞がなくなったら〜」
いかに立派な建築物や仏像などの遺産でも天災や、人災に遭えば、
たちまちに消えてなくなってしまう。
1000年前、大長編小説「源氏物語」を紫式部は書いた。それが活字として残っている。
これは日本の誇りだ。昨今の悪くなった日本が立ち返るには誇りを取り戻すことが大切。
私は85歳だが、今ほど悪い時代はない。文化にお金を出さない国はやがて、滅ぶ。
将来を担う孫子に、日本に生まれてよかったと思える、日本の活字文化を新聞は伝えて欲しい。
新聞週間にちなんで行われた、日本新聞協会主催のシンポジュウム
「もし、新聞がなくなったら〜」での、瀬戸内寂聴さんの基調講演の要旨です。
パネラーの一人、昭和女子大学坂東真理子学長。
大学生の関心は、自分から半径3〜10m以内。
手の届かない所で起きる政治や社会は関係ないと思っている。恥ずべき自体です。
新聞は責任を取らないといけないメディア。ネット上には自分が発信することに責任を取らない人が
かなり跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)し、ブログ炎上やいじめが起きている。
これこそ日本人の劣化。新聞のようにしっかりやるメディアが危機にある矛盾を解決すべきだ。と。
まさに見識です。
新聞はとてもよく出来たメディア。森羅万象、喜怒哀楽、世界の出来事がこの紙の束に詰まっている。
的確な見出しで記事の内容はすぐ分かる。頁をめくりながら時代の文脈も読み込める。
文章を通じて、世界の広さを知り、自分の内面と向き合える。猛烈な速さで時間が流れる現代。
文字、活字を通して自分の時間を取り戻せる。活字文化は素晴らしい。と。
北村・日本新聞協会会長の挨拶は、新聞人の気概を感じ、新聞症候群の心に沁みる。
坂東さんの読まれない弊害。寂聴師の活字文化消滅の危機感。稀代なる女性の見識に
改めて敬意を表し、合わせて新聞メディア衰退の歯止めに、私のできることは何かを考えてます。
ちょっと、長くなりました。4月6日は「新聞をヨム日」。新聞ほど安価で豊富な情報源はありません。
ぜひ、新聞の存在を再認識頂ければと願い、あえて、抜粋させてもらいました。
と、偉そうに申す私は、この歳まで、日本活字文化の最たる「源氏物語」を読んでいません。
とても、恥ずべきことです。
瀬戸内寂聴さんの現代語訳、早速購入、チャレンジします。
朝の読書タイム、楽しみが増えました。
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