ヒーロー

日本の新しい明日が見えてきた。
北京オリンピックで、私の一押し。
柔道、100?s超級の石井慧選手(21歳)が見事に金メダル。心からお祝い申し上げます。
「あくまでも一本勝ち」に拘るのが日本の柔道だと、
「手段を選ばず勝ちにこだわる」石井選手の柔道に「大人」達から、否定的な声が聞こえます。
私は、そんな声を聞くと、なぜか、時代錯誤のこの国とダブります。
石井選手は、練習の虫です。練習量では、柔道界随一と言われます。
勝つためには手段を選ばす。が批判ですが、彼は勝つために「練習をいとわず」が心情です。
一本勝ちであろうが、反則勝ちであろうが、ルールの中での勝ちなら勝ちは勝ちです。
一本を取りに行く柔道の鈴木桂治選手の負け方は、以前なら、場外で負けではありませんでした。
ルールが変わったから、場外タックルされ背中から落ちても負けです。負けは負けです。
日本人は、美学という言葉に惑わされますが、一本を取りに言って負けた選手に美学があり、
勝つために「練習の虫」といわれ、鍛錬を繰り返す勝者には、美学がないとは、笑止です。
柔道は日本のお家芸ですが、「JUDOU」は世界のスポーツです。
もはや、日本人の独特の美学が通用するはずはありません。
柔道を良く知らない私が、なぜ、ここまで、石井選手に拘るかと申しますと、
国際社会における、日本の衰退と日本柔道の凋落が同じに見えるからです。
この国の経済はもはや一流とはいえない。にも拘らず、世界第二位の経済大国だと思い込む。
その結果、モノづくりにこだわり、金融などの新たな産業の芽を、古い観念で摘んでしまう。
柔道は日本人のものではなくなった。にも拘らず、日本的美学を求め、
その結果、若いエネルギーの台頭を許さない。いずれも日本社会を覆う病巣です。
そんな、過去の栄光にしがみつく古い体質を、「練習の虫」という、最もオーソドックスな手法で、
驕りも、美学もぶっ飛ばしてしまう。それが、石井慧選手だから、私は応援したくなるのです。
日本柔道のヒーロー、21歳の石井慧選手に、21世紀の新しい日本の姿を描くのは、
私一人ではないと思います。
                           Goto

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