乱世

「いざ」という時、リーダーのタイプは分かるものです。
「かつて経験したことのない厳しい環境だ」とトヨタ自動車が、09年3月期の連結業績減益予想を発表。金融危機による世界不況の波を日本一の高収益企業が被った。
天下のトヨタが発熱。他の地区と比べ比較的堅調な経済が続いたお膝元の東海地区も、
ここにきて、緊急入院状態に陥った感がある。これで、すべての地方経済がインフルエンザに罹ってしまった。さてさて、民間の力ではどうにもならない状況です。ここは、お国の出番です。
「政局よりも景気」と声を荒げる我らが首相殿。矢継ぎ早に、景気浮揚策をぶちあげる。根本解決策を提起する。大いに期待するのだが、何故かしら、治療薬を投与する段には躊躇する。
景気対策は閣内不一致。道路特定財源の一般財源化にともなう1兆円を自治体に配分する案も、地方交付金の7000億に上乗せするのか総枠なのかも、国交相と総務相と意見が違う。
天下の愚策2兆円定額給付金も、全世帯と言いながら、所得制限を設ける。時期も曖昧。高速道路も1000円休日乗り放題と威勢は良かったが、細部はなかなか煮詰まらない。
ここにきて、根本治療の地方分権、行政改革で国の出先機関である農水省地方農政局と国交省の地方整備局を原則廃止を表明し、大ナタを振るうと思えば。「やれるものなら」と役人に開き直られ、トーンダウン。
おまけに、三年後には消費税の値上げを言明しながら、反対の声に、おたおた・・・・・・・。
トヨタはコストカットには定評がある。そのトヨタが、発熱に「緊急収益改善委員会」を発足させ、絞ったタオルを開いて、振って、また、絞り、一年でV字回復する言う。さすがに世界のトヨタ。民間人としては、その荒治療法を注視したい。
世は、先進国がこぞって、マイナス成長となった、まさに乱世だ。
面白い時代かもしれない。
リーダーには二つのタイプがあると思う。平時に強い人と乱世に強い人とが。
良く見間違えるのだが。威勢がよくて、派手な啖呵を切る人ほど、往々にして、平時向きで乱世には脆いもの。
乱世に強い人を見分けるのは難しいかもしれませんが、大概は、「いざ」という時にぶれない。腹が据わっているものだ。この乱世、だれが治療能力を持ったリーダーなのか、見極めたいものです。
少なくとも誰かに脅されて、方針や発言を修正するようでは?腰がフラフラするようでは?
乱世に平時のリーダーを担ぐと。さてさて・・・・・。どうなるのでしょうか。
                                          Goto

コメント