安易な妥協に身を置いてはならないと。
米国の話です。広告の仕事をするものにとっては、由々しき判決が下されたものですから。
判決は日本車の燃料が「広告よりも悪い」ため予想外の出費を強いられたと主張する女性の訴えを認め、9867ドル(75万円)の賠償を命じたというモノ。
理由。メーカーが広告でうたった低燃料は極めて注意深く運転しなければ実現できないと指摘。「驚くベキ低燃費」などの宣伝文句は「誤解を招く」と認定。
ロサンゼルス郡地裁だそうだが、女性は06年モデルを購入。広告では1リットル当たり約21キロと。実際は13キロ以下にしかならなかったと訴えた。メーカーは「納得できぬと、上訴する」そうだが、何でも裁判の米国社会の弊害。上訴は当然だといわねばならない。
日本車ではハイブリッドの新車なら1リットル当たり、23キロが平均。21キロの宣伝文句はむしろ、良心的。中古車でも20キロは可能。どんな乗り方をしたのか知らないが、ガソリン価格の高騰や環境問題の高まりに付け込んだクレーマーに、こんな判決が出るなんて。よほど腕利きの弁護士が・・・・。
とは申せ。広告はややもすると広告主に都合の良い情報を発信しがち。誇大表記や最大級表記、効果や安全性の確認、いたずらに不安やコンプレックスを煽る言葉、薬事法や医療法に抵触する内容には、十二分な注意が必要との教訓と捉えよう。
我が社は、地域みちゃく生活情報誌を161万部、ご家庭にお届けしている。媒体社として考査室を設け、しっかりとした自主規制のもと、掲載基準と表記基準を厳守している。
不当な要求には、例え消費者であっても、断固とした態度が必要だが、広告を提供する側が安易な妥協に身を置いてはならないと、肝に銘じている。Goto
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