NHKネット配信

放送と通信の融合について、もう少し丁寧な議論を・・・
時代はネット社会。あらゆる情報をいち早くネットで伝えるのはもはや時流です。NHKは災害時の緊急放送やラジオ、国際放送などは総務相の許可を受け放送と同時にネット配信しています。ネットサービスを拡大してスポーツの生中継など「社会的な関心に応える番組」も放送と同時に配信する構想を決め、年内に総務相に許可を求めるそうです。(11/14・朝日朝刊)
この構想、背景には6月に放送法が改正され、総務相の許可を条件にネット配信を大幅に拡大できるようになったからです。しかし、NHKの番組は受信料で賄われています。ネットで配信されれば、受信料を払わなくても見られることになります。
合せて、日本は欧米と違い、放送とネットは切り離されていますので、通常の番組や国内プロスポーツ中継には、著作権や放映権を別契約で結ばねば、配信できません。そうなると、有料配信なら別ですが、その負担も受信料で賄うことになります。(英仏ではテレビを持たず、パソコンだけで視聴する場合も受信料徴収の対象になっているそうです)
「社会的な関心に応える」番組が拡大されて、次々と配信されるようになれば、民業圧迫で、民放が脅かされることにもなり兼ねません。総務相も安易に許可を与えるのではなく、ネット時代の公共放送のあり方を少し、議論する必要がある気がします。
そもそも論を申すのも、気が引けるのですが。我が社も衛星放送事業を営んだ経験があります。その際に思ったのは。当時は郵政省でしたが、電波管理行政に一貫性がないことでした。業者はその都度、右往左往させられ、結局、当時300チャンネルあった、放送委託事業者は、たちどころに、三分の一にまで縮んでしまいました。
この問題も、その背景には、総務省の「放送と通信」に対する方針が曖昧なままであること。融合するのか、分離を徹底するのか。このまま、総務相がNHKに許可すれば、混乱に拍車が掛かるのは必定だと思います。国民の利便性と不利益、格差がないことを第一義に考え、もう少し、丁寧な議論をして欲しいと思います。Goto

コメント