茗荷の効用・・・

夏バテ防止に、茗荷が役立つとは・・・                       
昨日のことさえ思い出せない高齢者ですが、
私が大好きな夏の野菜は、いや野菜と呼んで良いのか・・・
なすびでもキュウリでもトマトでもありません。
冷麦の具に最適。野菜の天ぷらにはこれがなければ・・・
そう醤油を掛けてやっと味がする奴豆腐もこれと合わせれば、
豆腐の味を引き立たせてくれる。そうです。茗荷のことです。
子供の頃から、親父どのが、刻んで鰹節を掛け、醤油を垂らすだけで、
酒の摘みにする茗荷。恨めしそうに眺めていると、
チョッとだけ、親父が口に入れてくれた・・サクサクとして、妙に後味がピリッとして、
脳細胞が活性するような刺激があって、何とも美味かった・・・
でも、母親が「子どもは茗荷を食べたらあかん。忘れっぽくなって、
物覚えが悪うなる」「あんたはタダでさえ、アホなんやで、茗荷食べたらあかんで」と
茗荷を食べさせてもらえなかった。ほんまかいな、「俺がアホなのは、
俺のせいではないく、母親が・・」などと思っていたのだが。
なぜ、「茗荷を食べると物忘れが激しくなるのか」そんなのは迷信じゃないかと
ずーっと疑問に思っていたのだが。子どもの頃に親に言われたことって結構、残っているもの。
子育て中の若い夫婦には注意です。
お釈迦様の弟子で周利槃特(しゅりはんとく)という人がいた。
物覚えが悪く(私のような坊主です)自分の名前も覚えられないために、
背中に名前を書いたのぼりを背負っていた。何でもそうですが、
能力ではない。頭の良し悪しでもない。継続して修行を重ねれば、
誰でもが一端にはなれる。槃特・・真面目にひたすら・・・
精進を重ね聖人に上り詰めた。
亡くなったあと、槃特の墓から生えた草を「名前を背負った」ことに
ちなんで、茗荷と付けた。それが茗荷を食べると物覚えが悪いとの謂れだとか。
何とも誤解されたものです。
落語にも「みょうが宿」があり、百両もの大金を帳場に預けた客に、
宿屋の夫婦、みょうが三昧の料理を食わせ、
翌日、客は金を忘れ旅立つ。夫婦はしめたと大喜び。悪事は悪事、上手く行かない、
客は思い出して戻ってきた。百両儲けそこなった夫婦。
女房、「あんた他の忘れたモノはないかい」亭主「あっ・・宿代もらうの忘れた」
そんな落ちです。(読売7/13)
茗荷は世話の掛からぬ野菜。庭の日陰でもすぐ育つ。
匂いが強い野菜。その匂いというのが、アルファビネンという成分で、
独特の香りを発し、大脳皮質に作用しボーっとした頭をシャキッと冴えさせるそうな。
カリウムを多く含み、高血圧で悩む人には血圧を下げ、
心拍数を正常に調整する作用や、水分量の調整もする。
漢方では血行を促進し、新陳代謝を旺盛にし、おまけに、
発汗作用もあり、呼吸まで整えてくれる。妙薬だそうな。
子供にはそんな薬効は必要ない。
それが、子供に茗荷を食べさせない理由だそうな。
何とも面倒な野菜だが、大いに食べて、この猛暑を乗り切りたいものです。Goto

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