角を矯めて牛を殺す

賃上げと時短は中小零細企業を押し潰す。
国柄も状況も背景も違うので比較するのに意味はないと思うのですが、
どこか日本の深層とダブるので、考えてみたい。
お隣、韓国で自営業者が苦境に喘いでいる話です。
韓国では自営業者のことを「小商工人」といいます。
家族経営の商店や下請け工場のことです。文政権、公約通りと申して良いのでしょうか。
保守系大統領の経済政策を「大企業財閥偏重」だと批判しての政権。
支持基盤とする労組の意向もあり、労働者のためにと最低賃金(時給換算)を
2017年の6470ウォンから8350ウォンに強引にあげた。
韓国経済が低迷する状況下での公約通りの賃上げ。「小商工人」にとっては、雇用者に対して、
賃金を上げるどころか賃金を払うのさえ厳しい状況、上げるなら解雇せざるを得ない。
合わせて、昨年7月、法定労働時間の上限を週68時間から52時間に下げた措置も
「小商工人」には大打撃。賃上すれば消費が増え、景気が上向く……甘い甘い。
結果的には市民の消費意欲喚起にならず、真逆で景気は悪化の一途……弱り目に祟り目。
その結果、解雇に拍車が掛り公約が薮蛇に。
で、経営者とは名ばかりの「小商工人」……商店や零細工場の親父さんや、
家族が長時間労働で支えなければ廃業することになる……韓国統計庁によれば、
自営業者は568万人、全就業者の21.3%。彼らの文政権への批判が高まった。
まぁ。かっこよく、働き方改革で、労働時間短縮を推し進め、報酬の引き上げを
やれば、「角を矯めて牛を殺す」結果になるってことの例かも知れない。
国情が違うのでと前置きするのですが。でも、働くな。賃金上げろでは、
一見すれば、納得できそうな政策だが、どこの国であろうと、
結果的には中小零細企業とその関係者、つまりは弱者にしわ寄せがいくのです。
隣国では「どの企業も急激に政権との距離を置き始めた」そうです。Goto

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