NPO法人の新聞

ネットとソーシャルメディアの広がりで新聞社の経営は厳しい。本当かな。
日本の新聞と米国の新聞は違うのか。
それとも、本質は同じなのだから、違わないのか。
米国の地方紙が音を立てて崩壊しています。
米リサーチセンターによると、全米の新聞社編集局の記者は
2006年に約7万4千人いたのだが、18年には約3万8千人に減りました。
10年ちょっとで半減です。新聞を支えるのは記者です。
記者がいなくなれば、新聞はその役割を果たすことはできません。
なぜ、記者が激減するのか。新聞社に記者を雇用するだけの収入がないからです。
記者はジャーナリストです。「武士は食わねど高楊枝」そんな気概が必要なのでしょうが、
それは日本の話であって、収入が目論見よりも少なければ、転職してしまいます。
新聞のみならずジャーナリズムは経済的な背景がなければ成り立ちません。
日本の新聞社も読者からの収入や広告費が減収して損益分岐点を下回れば、倒産するか、
それとも、別の事業で稼いで補填するか、素封家の支援を得るか、
大手企業の傘下になる(ハウスメディア)しか生き残る道はありません。
米国だからでしょうか。こんな生き残りを賭けた動きが。(朝日・世界発・2020)
非営利団体(NPO)に移行して通常の収入以外に支援者の寄付で運営する新聞社が。
オンラインメディアやNPO傘下に入った新聞社はあるが、
それなりに歴史のある新聞社がNPOに変わるのは初めてのケースです。
どうなんでしょうか。他に競合紙がないからできるのでしょうか。
日本の場合は、新聞の読者はその新聞の支援者みたいなものです。
購読もしていない新聞に「メディアは必要だ」と寄付するでしょうか。
米国ならではですね。ユタ州の新聞社の話ですが。NPO法人になったのだからと、
「ユタ・ジャーナリズム財団」を設立、約65億の基金を目指して資金集めをしています。
運用益で同社を含む地域ジャーナリズムを支援する仕組みを作りたいと意気込んでいます。
財団で基金が集まるなら、日本でもこの方法による新聞社の生き残りはありでしょう。
一度「ユタ・ジャーナリズム財団」なるものを調べてみます。(どうも実態は不透明です)
さて、なぜ、地方新聞が苦境に陥ったのでしょうか。
インターネットとソーシャルメディアの広がりから、新聞社の経営は厳しいとの分析です。
だとすると、新聞から得る情報よりも、ネットの方が良い情報だといえませんか。
いくらNPO法人にしようが、本質は何も変わりません。
読者が減り続ければ支援者も寄付する人もいなくなります。
そこが、最大のポイントです。
日本の新聞社は独禁法で販売制度が保護されていますので、辛うじて生き残っていますが。
現状のように、新聞はネットごときに取って代わられることはない、などと
腹の底で見くびっていると、いずれは、立ち行かなくなるのは必定です。
日本の新聞社は米国とは違います。
私は申し上げたい、ネットで勝負してはどうかと。ネットを超えてみろと。
米の地方紙の動きから、そう思います。Goto

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