勧善懲悪の中からは新しい創造力は生まれないのでは・・・
最近テレビを見ない若者が増えていますね。
統計では子どもが1日5時間以上テレビを見ていると脳の回転が鈍るといわれます。
鈍るとは抽象的な言い方ですが、ようは「???」になるってことです。
そんな情報はどこにあるかと、言われるかも知れませんが、
根拠はドイツの研究です。ですから、ドイツでは子どもはあまりテレビを見ません。
禁止しているのではありません。社会風潮がそうさせているのです。
その意味では、流されない国民なのですね。だから、ドイツなのでしょう。
1日で、5時間は別として、日本では正確な統計はないようですが、
誰がテレビを長く見ているのかと申しますと、高齢者だそうです。
朝起きてテレビを点け、日長ボーッとテレビを見ているのだそうです。
それは見ているのではなく、BGM代わりで、ただ、点けているだけだと思うのですが。
それでも「見ている」ことになるのでしょう。
私も高齢者ですから、思うのですが、テレビを見ているのが、
一番楽な情報の取り方ですからね。考えなくても、耳と目に入ってきますから。
そんな高齢者に圧倒的に人気だった番組は「水戸黄門」です。
今でも再放送に視聴率があるそうです。なぜなのでしょうか。
巷間言われる通り、越後屋と代官の悪巧みによって、善良な町人が貶められる
・・・それを、まずは斬り合いで相手をねじ伏せておいて、最後は権力の象徴、
「葵の御紋」で完膚なきまでに平伏させる・・・
この勧善懲悪が、日頃からなのか、屈折した鬱憤を抱える高齢者にとって、
溜飲を下げるのですね。世の中、そんな単純なものではありません。
悪人には悪人の、善人には善人の「善悪」がありますが、ドラマですからね。
あなたは、TBSのドラマ「半沢直樹」を御覧になっていますか。
私は業界人の端くれです。話題の作品は見ることにしています。
ただし、ビデオですが。半沢直樹の視聴率が25%を上回っているそうです。
凄いことですね。テレビを見ている人の4人に1人です。
国民的な人気ドラマってことです。なぜ、こんなに人気があるのか。
「バブル期から失われた時代、日本経済が衰退するなか、
理不尽な目に遭わされる半沢直樹と自分をオーバラップさせ、凡ゆる叡智と手段を
尽くして、理不尽に立ち向かう姿に共感できるから」ではないでしょうか。
それと、最後は半沢直樹が逆転することで溜飲を下げることができる・・
その安心感と爽快感が視聴率を押し上げているのでしょう。
勧善懲悪を好む日本人にぴったりってことなんですね。
私もすかっとするのですが、でもです。
勧善懲悪のテレビドラマが、それが如何にエンターテイメント性があっても
国民的人気になることに抵抗を感じます。
なぜなら、創造性が醸造できるとは思わないからです。
今この国に必要なことは、国民が「脳を活性化」させることだと思います。
勧善懲悪の中から新しい創造力は生まれません。
それにしても、歌舞伎俳優の演技力は凄いですねぇ。Goto
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