盟主は盟主たれ・・

電通よ、国難に矜持を持って立ち向かえ・・・
年末に嫌なことは言いたくないのですが・・・
広告業界の盟主は、全ての同業者が敬意を払う世界的企業の電通です。
その電通が業界の下請けに競合他社に協力するなと「圧力」を掛けたと、
公正取引委員会から「同社の一部行為に独禁法違反につながる恐れあり」と
厳重注意を受けたと報じられました。
その実態は、新聞報道の域を出ませんが、
新聞広告が激減、電通に頼る新聞が、各社こぞってこの問題を取り上げているのです。
厳重注意の意味は重いものがあります。同業者の端くれとしては・・盟主の振る舞い・・
如何にも寂しいと申しますか、情けない話での新聞沙汰です。
内容はこうです。
コロナ禍で影響を受けた中小企業向けの「家賃支援給付金事業」を巡って、
競合会社「博報堂」ですが、博報堂が受注すると予想、
本来なら電通があの手、この手で受注が決まっているのですが、
「持続化給付金」の入札を巡って「官製談合」だと批判を受け「家賃給付金」には
手が出せなかった・・・ので、その腹いせに、博報堂が受注しても事業を円滑に
進めさせないよう恫喝したという下請け虐めです。
なんと申しましょうか、この根性・・
コロナ禍で家賃の滞納をやむなくする中小企業を何とか救おうという
政府・政治の必死の政策が「家賃支援給付金事業」です。
その国民の願いなど、全く無視して、自分さえよければ、電通だけ儲かれば・・
そんな浅ましい電通の企業姿勢が露呈した事件です。
機は国難です。日本中が困難に立ち向かっているのです。
その最中、「火事場泥棒」に走り、批判を受ければ、同業他社の上前をはねようとする、
それができなければ、同業他社の動きを封じる・・それが、広告業界の盟主のやることか。
この問題、結果的には博報堂ではなく、リクルートが受注。電通の下請け企業ではない
体制で事業に取り組んだ結果、公取委は電通の同業他社の取引を妨害するものではなかったと
結論付けたが、通常ならば、公取委でも問題にはしないのでしょうが、電通の目に余る行為に
公取委が目を付けていたからの報道になったのでしょう。
電通は「圧力を掛けた担当部長を厳重注意した。公取委から注意を受けたことを
厳粛に受け止め、改めてお詫びし、社員教育の再徹底を図る」とコメントを出したが、
下を向いて舌を出してはいないか。それが電通に体質だとすれば、情けない。
業界全体にどれだけの信用失墜を及ぼしているのかも
しっかりと反省して欲しい。そんな盟主の矜持もないなら、
「日本国繁栄のために電通あり」といった中興の祖・故吉田秀雄氏が
草葉の陰で泣いているのでは・・・残念・・Goto

コメント

  1. Goto より:

    ナガラさま
    コメントありがとうございます。
    「動機善なりや・私心なかりしか」
    仏教的経営を貫く、稲盛和夫師の言葉です。
    業界の盟主たるもの、
    そうあって欲しいものです。
    Goto拝

  2. ナガラ より:

    電通の横暴は、広告業界では周知の話ではないでしょうか。
    朝日新聞やNHKとともに、メディアを牛耳る三大巨頭。SNSの進化により、叩けばホコリが目立つ存在。
    独占的な権力地盤も、揺らいでいるのが鮮明になってきてますね。