宇宙産業でも出遅れたようです。どうする。
22年の地球周回軌道に向けたロケットは世界で186回打ち上げられました。
そのうち、61回はスペースX社というEV車大手テラス社のマスク氏が02年に創業した企業です。
週に1回以上のペースで打ち上げられ、全て成功。その信頼性は抜群だそうです。
今月・日本のロケット『H3』初号機が打ち上げに失敗しました。
JAXAと三菱重工業が共同で開発した液体燃料ロケットでした。
原因は未発表ですが、日本のロケット開発に暗雲を投げ掛けたのは間違いありません。
今や宇宙開発は国策ではありません。欧米の民間企業によるビジネスの時代です。
この動きを「ニュースペース」と申します。H3の最大の特徴は低価格であることです。
従来型のH2は打ち上げ費用が100億円かかり、この額では海外との競争に勝てない。
なんとか半分の50億円でできないかと・・・計画されたのがH3です。
スペースX社の「ファルコン9」の打ち上げ費用は6700万ドル。
コスト的に十分に勝負できる価格だったのですが・・・それがもどかしい。
ファルコン9はH3の5倍以上の荷物を載せられ、積載重量当たりで費用を比べると
H3は3倍以上の差がつけられている計算になり、コストパフォーマンスにはなっていません。
・・・コスト面で半額になるという謳い文句もH2との比較では、看板にはならない現状です。
それにH3は「2段式」ロケットの1段目は海に捨てられるのですが・・ファルコン9は
切り離された1段目に工作され、回収専用の無人船で自動的に帰還できます。
そこもすでに、取り返しのつかない程に差がついてしまっています。
日本は、宇宙開発の分野。糸川英夫さんが炭で打ち上げたり、リュウグウが、
未知の衛星から、土を採集して帰還したり・・・世界の最先端とは申しませんが、
遅れているとは・・・思っていませんでしたが、周回どころか、宇宙開発は何周も
遅れをとっているのではと思えます。専門外ですから、悲観的なのかもしれませんが。
宇宙は国際競争の場。宇宙観光などは軽い話ですが、軍事的利用の拡大や
宇宙環境問題など・・・ロマンの時代ではありません。H3の打ち上げ失敗を
現場や関係者の問題に矮小化しないで、国家的な問題だとの認識に立って・・
真剣に考えねばならないのではないでしょうか。
でないと・・・この分野でも、世界の後塵を排することになるのではないでしょうか・・
エッ。もう遅いですって。そんなことがあるはずはない。我々は優秀なのですから。Goto
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