日本の歪な医療体制・コロナ禍が教えてくれたではないですか・・・
経済協力開発機構(OECD)は医師の偏在についてこんなデータを示す。
20年時点で人口1000人あたりの医師数は日本が2.6人。米国2.6人、
英国3.0人、仏国3.2人と先進国はほぼ同水準です。
しかし、これを病床100床別に見ると日本は20.5人。
英国125.1人で日本の6倍、病院1施設あたりでは39.7人で、
ドイツの3分の1しかいません。さらに日本は急性期医療の入院日数が
欧米の2〜3倍と長く、多くの病床に患者が長くとどまり、少数の医師が
診療に追われるという構図があります。
どうしてこうなっているのか・・・
医師の数は先進国並みなのに、大病院で足りないのは、小さな病院が多い上に多数の勤務医が独立し、診療所を開業するためです。診療所は22年に10万5182ヶ所あり12年から10年で5%増えています。
新規の開設数では12年と13年では5000ヶ所程度でしたが・・
その後は7000ヶ所程度で推移、21年は1995年以降で最多の
9500ヶ所まで増えました。病院の勤務医が自由に独立することで
集約すべき人材が拡散しているのです。
2500の病院で組織される日本病院会のトップは「診療所の医師の一部が病院に勤めれば、勤務医の不足はかなり解消される」と医療資源の偏在を指摘しています。変な数字の示し方ですが・・・診療所にかかる患者は減少傾向にあります。
外来患者数を示す受診延日数は22年度11.9億日で、
コロナ禍での診療控えが響いた20年度には10.9億日からは増えましたが
19年度の12.2億日からは減っています。人口減少による自然減ではないかと
言われています。
政府は14年から高齢者が急増する25年を目標に需要に合わせた入院医療を
整備するよう都道府県に促してきました。狙いは急性病床を再編・統合し
散らばった医療資源の偏在を集約することにあります。
最もの方針ですが、判断するのは病院や各自治体で、国に権限がない仕組みに
なっています。それと病院の統廃合をすれば自治体は病床の効率運営ができ財政負担も減少するのですが・・・地域住民の反発が根強く恐ろしくてできないのが現状です。
ちなみにです。国の医療費は増加傾向が続いています。
22年度は46兆円で21年度から4%増えています。
コロナ禍での異常な状態であった20年度は3.1%減ったものの、
その後はコロナ禍を上回る伸びが続いています。
24年度に診療報酬が改定されます。財務省は必要性の低い急性期病床を減らすため、患者数の重要度などをより反映した報酬体系にすべきだと主張。
医師の開業も抑制への「踏み込んだ対応が必要だ」と訴えますが・・
日本医師会は慎重な立場をとっています。
財務省は医療費の観点から・・・医療資源が偏在している根幹に切り込んでいます。でも、この役割って本来は厚労省の仕事です。しかし、厚労省が見ているのは国民や患者ではなく、日本医師会ではないでしょうか。だって、人口が高齢化・減少しているのです。診療所を続々と増やすっておかしな話ではないですか。その認可は厚労省ですから。
医療の問題は命に直結します。
政治が扱い難い課題でもあります。
でもこのまま・・・診療所を増やし続ければ・・
日本の医療は崩壊します。だってコロナが教えてくれたではないですか。
開業医がコロナ患者を受け入れるのを拒否したことを・・Goto
コメント