ここが思案のしどころではないでしょうか。
直接には関係ないのだが・・・日本の国際収支である経常収益が「黒字・前年比・92.5%増20兆円」と新聞に踊る見出しを見ると嬉しい。そう思いませんか?えっ・・ピンとこないですって。そうか・・・国の収支じゃ大き過ぎるってことでしょうかねぇ。それとも関係ないってことでしょうか。
でも、考えて見て下さい。家計でも今月は支出を抑えたので黒字だったと、財布を握っているお母さんがいえばなんだがホッとしませんか。企業でも商店でもそうです。今月は努力が実って目標の売上が達成できて収支が改善されったって聞けば気分が良いじゃないですか。
同じです。日本人がそれぞれの立場で頑張ったから、いや頑張った成果が実を結んで、去年より、黒字がほぼ倍増した。となりゃ、その恩恵はどこかで、国民に回ってきますよ。家計でも黒字であれば美味しいものでも食べに行くか。会社でも賞与を上げるか、とか賃金を・・・となりますからね。喜ぼうではないか。
最近、失われた30年とか、沈みゆく日本経済だとか。日本の経済は疲弊、力が弱くなり、先が見通せない危機的状況だと、経済評論家たちが警鐘を鳴らすが、だったら、いくら去年が悪かったとしても黒字が2倍にもなるのでしょうか。
なぜなんでしょうかねぇ。
そもそもです。日本はランクが下がったとはいえ。世界では第4位の経済大国です。貿易収支は08年まで毎年黒字が続いていた。でもリーマンショックで、このままではあかんと、大手の企業が生産拠点を海外に移した。その結果、小幅な赤字・黒字を行き来するようになったのだが、その後、東日本大震災で原発が止まり、エネルギーを火力発電に頼るようになった。原油の高騰が貿易収支を圧迫、赤字が常態化し始めた。
一方海外での稼ぎ。海外投資が積み上がり、企業が海外投資で受け取った利子や配当金である第一次所得収支は大幅に黒字化。この20年間で約4倍に増えている。つまり金融財産を海外にうまく投資して稼いでいるのです。去年で33兆5573億円で過去最高を記録した。円安も貢献したが。
なぜ、20兆円を超す黒字になったかは、そもそも所得収支が貿易収支の赤字を補填しても10兆円以上の黒字だったのが、原油高騰が一段落し、貿易収支の赤字幅が大幅に縮小。そして、これは関係ないとは言わせない。コロナが落ち着いて訪日客が増えてもう一つの収入源であるサービスの旅行収支も過去最高の3兆4037億円の黒字になった。そうですよねぇ。日本人は円安で海外旅行は割高。誰もが行けませんからねぇ。まぁ・・・荒っぽいですが、ざっとこんな理由で、20兆円の黒字になりました。
新聞などの報道ではこのまま・・・黒字が拡大することはないとの論調です。海外の巨大ネット企業への広告料の支払いなどがかさみ、サービス収支は3兆2026円の赤字だ。そうです、日本経済の最大の弱点は、世界を凌駕するような産業を導き出せないってこと。それを経済学者たちが危惧しているのです。
「稼いだら、よく考えて使え」と申しますが・・・ここが思案のしどころです。みんなで考えましょう。Goto
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