悩ましい問題だが・・・鳥獣たちとどう共生するか。考えねば。
環境省は・・・北海道のヒグマと本州のツキノワグマを「指定管理鳥獣」に追加すると表明した。今年度のクマによる人身被害は1月末現在、19道府県で218人(うち6名死亡)過去最多だった20年の158件を大幅に更新した。
まぁ・・こうなれば、被害防止のために国が動くのは致し方ないかと思う。そもそもだが、指定管理鳥獣ってなんだ。アーバンベア(山から降りて市街地に出没するクマのこと)が出没するのはなぜだ。クマと人間の共存は不可能なのか。もうすぐ、クマは冬眠から覚める。考えたい。
指定管理鳥獣とは鳥獣保護法に基づき、人身被害など生活圏での環境に被害を与える野生生物を環境相が指定する制度。都道府県が計画を立てて捕獲事業を行う際の国の交付金支出や、鳥獣保護法で禁止されている夜間の銃猟が可能となる。現在はニホンジカとイノシシが対象になっている。
出没数だが、昨年の12月末時点だが、2万3669件に上り、22年度1年間の2倍を超えた。なぜ・・出没するのか。理由は三つあるとされる。
一つは気候変動。気温の上昇が早くなり、春の訪れが早まることで、冬眠から覚めたクマが自然界で食料を見つけるのが難しくなって・・アーバンベアとなる。研究によると生息地の平均気温がわずか一度上昇するだけで、食物連鎖に重大な変化が生じると言われる。生物の中で、気候変動に最も鈍いのは人間かも知れませんね。
二つは広葉樹が中心であった自然の森林が針葉樹の植林によって、クマの食料源であるどんぐり等の木の実や昆虫が不足し、生息地が脅かされた結果、アーバンベアにならざるを得ない。研究によれば過去10年で20%の森林が失われた地域では、クマの出没頻度はそれ以前に比べて40%増加しているそうな。だから街に。
三つに林業や農業に従事する人の高齢化により、手入れされずに放置された森林や耕作放棄地が増え、人間と野生動物の住処の境界線が曖昧になっているため。特に過疎地化により放置された農地や果樹園は、クマにとって魅力的な食料源。実際に過疎化が進む地域では、クマの目撃情報が前年比で50%増加していると・・・この三つがアーバンベアとなる理由だとされる。
読売新聞が北海道・本州各都府県に聞き取り調査したところ、25都道府県から回答、19年度から23年度までの5年間でヒグマ推定1万1700頭・ツキノワグマは推定4万3000頭で6府県は未調査。
そうです少なくとも、九州・四国と鳥取・島根を除く中国地方にクマは生息していないようだ。クマに対する実態は意外にわかっていないのではないか。そこに環境省は手をつけるべきだと思うのだが。
それと三つの理由だが、いかにも最もらしいが、要約すれば一つに尽きるのではないか。「餌」である。彼らだとて人間は怖い。餌さえ確保できれば、危険な場所に出てくる必要がないハズだ。食料の確保をどうするかを考えるべきだ。
それに気候変動、このまま温暖化が進めば、冬眠をする必要もなくなる。そうなると、彼らは更に北上するしかなくなるのではないか。絶滅するかも知れない。
クマと共生するにはどうするのか。クマだけではない。最近はアーバンサルもアーバンシカも増えている・・このままではサル、シカも指定管理鳥獣にせねばならないだろう。
クマとどう共生するのか。それは人間が気候変動するこの地球で全ての生物とどう生きるかが問われているのではないか。規制や管理の問題ではない。Goto
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