夏バテ防止には、梅干しだよねぇ・・・
先週は梅雨の末期のようでした。東海地方は東に居座る高気圧の縁を回って
南から湿った風が次々流れ込み、北の寒気とぶつかり、連日の豪雨。
長良川の堤防が何度も警戒水域を超え危険な状態に。
その都度、首長たちは夜通し、緊急体制を敷いた。事なきを得ましたが、
市民の知らないところで、「気象」と睨めっこ、緊張した状態が続きました。
そうやって市民を守ってくれる・・改めて感謝です。
今年は6月下旬から7月に掛け、猛暑が続きました。通常ならここで蝉が鳴き、今年は全く鳴き声が聞こえず。天変地異が起こるのではと心配しましたが。今週に入ってからやっと、うるさいと思う程に元気な鳴き声が。それでなぜか?ホッとするのですから。不思議です。
朝日の名物コラム「天声人語」に「梅干し」の話題が・・・
水上勉という作家。9歳で禅寺の小僧に。そこで行儀作法を仕込まれた。
梅干しの作り方も習ったと。梅を水でやさしく洗い。焼酎をまぶして殺菌。
塩と交互に漬け込む。容器の底にも塩をふるのがコツ。
梅・塩・梅・塩・・・と重ね。最後に塩をふる。そしてラップなどで密閉。
重石を乗せる。数日で梅酢が出来上がる。(梅がすべて液に浸かる)
そして土用干し。梅を三日三晩、日中は天日干しする。夜露に当てればさらに風味が増す。干し終わったら梅酢に戻して保管する。
なんせ、梅干しには、疲労回復・調整作用・高血圧予防・美肌・老化防止
唾液分泌を促進し、消化を助け虫歯予防にもなり「梅はその日の難逃れ」と言われ、朝の一粒が一日の健康を守ると信じられてきた。
我が家では梅干しを漬けない。理由は毎年漬けていた母親が、何の加減だろうか。ある年、カビが生えてうまく漬からなかった。その年に偶然だが、親父殿が患った。それ以降、梅干しを漬け損なうと「不幸が起こる」と信じて、梅干しを漬けるのをやめた。あれから50年以上になるが梅干しはスーパーの出来合。
コラムでは、水上さん・還暦近くなったある日。和尚は不帰の客となったが、その娘さんが、お裾分けだと言って梅干しを手土産に。53年前、両親が結婚した時に漬けたものだと。推し頂いて、深夜に「一粒」最初の舌触りは苦く、辛かったが、やがて、舌の上で丸く膨らみ、甘露のような甘さになった。
53年も生きた梅干しに水上さんは涙したと。梅干しは長生きだ。長く生きるから、ひとの記憶を蘇らせる。今年漬けた梅を、いつか誰かが口にして、あぁ酸っぱいと顔をしかめる。そんな想像をすると愉快になる。土用の入り。梅干しの夏だ・・・とコラムは結ぶ。
ちょっぴり夏バテ気味だ。そうそう、もう10年以上前になるか?
千葉の友人が梅を漬けたからと送ってくれた甕が台所の奥にあるのを思い出した。これから一汗かきにウォーキングに出掛ける。彼の元気な顔を思い浮かべながら、一粒・頬張って・・・出掛けよう。Goto
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