経営はトップの器で決まる。

「あったらいいな」のカタチが200万円ですか?情けない。

重箱の隅を突くようで、なんとも具合の悪い話であるが・・・
紅麹原料を含むサプリメントの健康被害で死者が出た問題。対応がなってないと被害者からではなく厚労省からも厳しく批判されている・・・小林製薬。

「あったらいいなをカタチする」ユニークな商品を次々と世に送り出し
一世を風靡している製薬業界の老舗・小林製薬です。しかも現預金や有価証券が約1100億円。借入金や社債残高はゼロの超優良企業です。

当然に危機管理もしっかりしていると思ったのですが。報道レベルです。これほどまでに対応能力が問われ、メディアの指弾を受けるとは思っていなかったのですが。一皮剥くとオーナー企業でガバナンスが全く機能していないことが浮き彫りになりました。決定的な会見に社長が出てこないなんてことはとてもじゃないが、信じられない。

上場企業です。役員構成は父子で社長・会長、それに生え抜きの専務の3名が常勤役員。世間的にも知識人として評価されている有名人4人が社外取締役に就かれています。こんな重大な問題、いや事件が起こったのです。
どう対処するか、どのように責任を取るかは、株主のみならず社会が注視しています。企業の姿勢が問われます。社外取締役は何しているのですかねぇ。

小林製薬の企業理念は、一人ひとりの暮らしの中の見過ごされがちな「困りごと」を発見し、今までにない「アイディアや技術」によって解決することで、健康で快適な生活の実現や社会での活動をサポートする。この「困りごと」によって妨げられる快適な生活や社会での活躍を「取り残された社会課題」ととらえ、その解決に貢献することで人々の可能性を支援する・・・とあります。

私は小林製薬のコマーシャルが好きです。
ニトリの「お、ねだん以上。」に匹敵する・・・生活者に寄り添った商品を提供してくれていると評価しています。

経営者の在り方を常に厳しく指導する。故・稲盛和夫さんの語録にこんな一節があります。経営はトップの器で決まる。経営者の人格が高まるにつれ、企業は成長発展するものだ。会社を立派にしていこうと思っても「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」というように、経営者の人間性、いわば人間としての器の大きさしか企業はならないものだ。

小林製薬は、もはや十二分に大企業です。
しかし、この事件の対処で、父子が辞任したのは責任の取り方でしょう。
でも、会長である親父さん(84歳)は自分がこの会社をここまでにしたとの自負があるのでしょう。取締役会長は辞任したが・・・特別顧問に残った。
84歳でしがみつくのは如何にも見苦しい。稲盛さんなら、人間の器が小さい。晩節を汚すとはこのことだと、仰るでしょうね。

それを白日に晒したのが、特別顧問報酬を月額200万円と報じられたことです。報酬など度外視して被害者と向き合い、問題解決に命を賭けるならわかりますよ。それが・・如何にもみみっちい。器が小さい。84歳のワンマンオーナーの家族経営・小林商店だったことが露呈してしまった。

死者がでています。全容が解明されるには時間が掛かるでしょう。
新社長は200万円を欲しがる強欲な特別顧問の影響力を跳ねかえして、
体勢を立て直すのは並大抵でないと想像できるのだが。3600名の従業員のためにも、「あったらいいなをカタチに」して取り残された社会課題に対応できる企業として、社会的な信頼を回復して欲しいものだ。Goto

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