老いる団地

夏だからと言って、怪談話じゃないですよ。現実です。

お盆ですねぇ。ちょっぴり悲しい話です。東京・多摩ニュータウンが老いて、
ゴーストタウン化するのが時間の問題だというのです。そうですよねぇ・・
私が学生の頃にできたのですから。半世紀以上前になります。

この団地は最寄り駅からバスで10分、960戸が整備され、かつては5000人近い人が暮らす、高度成長期の象徴的な団地でした。1995年、スタジオジブリが公開したアニメ映画「耳をすませば」のモデル地区になったこともあり「聖地巡礼」で訪れる人も多かったとか。

今は人影もまばら、野鳥の鳴き声だけが響く何となく不気味なエリアになっているとか。高齢化率が6割を超えているのですからねぇ。なんだが、今はまだ活気も活力もあると言われるが、あの東京都知事選に立候補して敗れた石丸伸二さんが、街と演説で「今ならまだ間に合うが2040年には東京都は、高齢化しエネルギーを失ってしまう」と訴えていたのが現実味を増す。東京都の行末を見るようではないか。

自治会長の話だが、最近、この団地で起こる事件は、いや事件と言っていいのか?わからないのですが、高齢住居者から「幻視」や「幻聴」とみられる症状を訴える人が増えているとのこと。自治会長が連絡を受け、ある家を尋ねると、高齢の女性が真っ青な顔をして「呪文が聞こえる」と話す。1年ほど前に夫を亡くして一人暮らし。会長が「幻聴ではないか」と伝えても、目は泳ぎ、恐怖に慄いているようだったと・・・

他の一人暮らし高齢者からも「夜中に金属パイプでベランダをたたいているような音がする」そんな相談も受ける。近所の住民に聞き取りをするが、そんな事実はないことがほとんど。どういうことだ。住民の中にはうつ病の診断を受けている人も多い。

特に幻聴は隣人の嫌がらせだと勘違いし、トラブルに発展する可能性は高い。そうなると、近隣の住民が敬遠し、誰も近寄らなくなる。ゴーストタウン化だ。
夏だからと怪談話ではない。東京の「老いる団地」の姿だ。早晩・社会問題化するだろう。

どうすれば良いのか。
都が管理する都営住宅は現在25万戸。都によると22年3月末時点で名義人の7割が65歳以上・単身入居者に限ると8割を超える。都営住宅の高齢者支援は都住宅供給公社が担い、希望者に対しては月に1度ほどの定期的な訪問などをしているそうだ。東京だから財政的に余裕があるから、そんなこともできるのだが。

それも限界が直ぐにくる。となると、地域で見守る。地域で支え合うしかない。それをするには自治会組織しかない。しかし、わがままな高齢者たちは、自治会に加盟することを嫌う。それだけではない。自治会長の成り手もいないのが現状だ。答えはない。それが現状である。

まぁ・・そう言ってしまえば身も蓋もないのだが。
東京砂漠を作ったのも、それで孤独になり、幻聴や幻視に悩まされる高齢者になったのも、自分さえ良ければと他人から隔離でき自分を謳歌できると団地生活を望んだ身勝手な高齢者自身に責任がある。

しかし、放っておく事はできぬ。行政が本気になって自治会を育てるしかないだろう。もしも、私の地域でそんな状態になれば、私が自治会長に手を挙げねばと思っているのだが・・・Goto

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