酒造り技術がユネスコの世界遺産に登録・・
さてさて・・・喜ばしいことなのですねぇ。そう思うのですが。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は日本の「伝統的酒造り」技術を
無形文化遺産に登録することを決めた。文化庁が頑張りました。
伝統的酒造り技術とは「KOJI」(こうじ)を使って米や麦といった原料を
発酵させ、日本酒や焼酎・泡盛、味醂などを造る日本古来の技術です。
ユネスコではこれまでに「古代ジョージアの伝統的なワイン製法」や「ベルギーのビール文化」など5件を無形文化遺産に登録しています。
何が伝統的か。原料を蒸して処理する工程はワインやビールなどの製造では見られない。原料の生育状況を見極めながら、水分を含ませる量や蒸し時間を調整する。蒸した原料に「麹菌」を繁殖させてKOJIにする「こうじ造り」が酒造りの要です。温度や湿度を細かく管理する必要がある・・それが杜氏の技だが、そこが認められたと文化庁の担当者は胸を張る。
技術的なことを申せば「並行複発酵」と呼ばれる発酵技術が世界的に珍しい手法です。KOJIが原料に含まれる澱粉を糖に変える「糖化」と
その糖を酵母がアルコールに変える作用を同時に進めるのが「並行複発酵」です。この製法、原型が室町時代だっていうから「伝統的酒造り」になる。
ですから。そもそも酒は「地域の祭事や結婚式、神事などで重要な役割を果たしてきた。日本人の生活文化に根ざしている。厳かなモノである」
問題は、その日本の酒を若者が飲まなくなったってことです。
国内の消費は落ち続け、22年度の日本酒出荷量は約40万7千キロリットル。
この50年で4分の1まで減った。製造免許を持つ蔵元は半分以下になった。
そこで蔵元が目をつけたのが輸出です。23年の輸出額は約411億円、
10年で4倍にはなった。世界遺産登録で、日本的酒造りの技術が認められたことをきっかけに輸出が増えることを酒造組合は期待しています。
輸出を増やすにはどうするか。
もちろん世界遺産登録はチャンスでしょう。
でもです。日本の若者が好まない日本酒が海外で好まれるとは思わない。
どうするのか。日本酒が飲まれない理由は、翌日頭が痛くなるからだと聞きます。そうです。醸造酒ですから雑菌が入る。それをなんとかすることです。
好評な日本酒「獺祭」が好まれるのはそこをクリアしたからと言われている。
もう一つは価格です。最近の日本酒は高価です。構造的には輸出すれば関税も掛かり高価になります。出荷時から高価であれば、日本酒に手を出す人に限りがあります。ということは二極化するって方法はないかです。効率から高級な日本酒ばかりに目を向けるのではなく。大衆的な日本酒を輸出するのです。
酒税の問題をクリアすればできないことはない。
焼酎も泡盛も決して高い酒ではない。廉価な日本酒を輸出できれば、
世界遺産登録が生きて来るのではないかと思う。
そして、これを機に日本の酒は「SAKE」ではなく、「並行複発酵」の技術が美味い酒を造るのだから「KOJI」と表現してはどうでしょうか?
そういえば、私も最近、日本の酒を飲まなくなった・・年かなぁ。Goto
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