一番電車の音を聞いて寝ました。
田舎から、青雲の志?を抱いて東京へ。ニキビまるけの18歳。あれから40余年にもなります。
六畳一間。共同便所、共同流し台の京王線沿い千歳烏山の下宿。「仕送りの10%は本代に充てろよ」送り出してくれた父の声。
三ヶ月も経たないのに、大学に興味を無くし、身体でも鍛えるかと、街の空手道場を覗いたり。そんな折、立ち寄った本屋で手にした文庫の外国小説。
夕方に起き、米二合を焚き、烏山駅前商店街で豚ロース二枚、ほうれん草を買い、バターで炒め、腹ごしらえ。終電車の音を耳に、さてと、本を開く。本の世界と現つの間に浸り、ふと気が付くと、一番電車の音。さて、寝るか?人生で一番本を読み、一番夢を膨らましたなー。
昨夜、眼下に山手線、京浜東北線、東海道線、新幹線、そして引き込み線を行き交う電車の音を聞き、ビルの谷間にモノレールが、その先には、東京湾、高速道路を交錯する車のライト。無機質な東京の街が一味違う、あの頃描いた近未来「夢の空間」との出会いでした。田舎では味わえない感動的な夜景を堪能させてもらいました。
夢?線路を軋ます電車の音。安下宿で古本の小説を捲りながら、電車に乗って、見知らぬ土地で、嬉々と生きる主人公の姿と、自分をダブらせながら、一番電車の音を聞き、「青雲」に夢心地となって、寝た。そんな、18歳が蘇りました。
Goto
コメント
私も同年代で、当時の懐かしい風景が、目に浮かぶようです。
田舎から昭和40年に上京し、五本木に住んでいた頃、地下鉄銀座線のどぶくさい臭いで酔ってしまいよく途中下車していたのが、思い出されます。今では地下鉄なしの生活は考えられません。これから40年後は温暖化の結果どうなっているのでしょうか?