鵜呑み

驚いてはいけません。
岐阜市の名物は、長良川の鵜飼。
毎年、5月11日から10月15日まで、夏場の五ヶ月間。
漁は満月を除いて毎夜催されます。
かがり火が燃え、鵜匠が操る12羽の鵜。
水面に浮かんでは消え、消えては浮かび、魚を追う。
魚をくわえて、顔を出しますと、屋形船から、観光客が喝采します。
その鵜を、舟に引き上げ、飲み込んだ魚を吐き出させ、また、川に放ちます。
鵜の習性を巧みに活かした古来からの漁法。
岐阜市では1300年余の歴史を有しています。
その鵜飼見物の観光客。
昭和40年代のピークには30万人が訪れ、岐阜市の観光産業を支えました。
現在は、関係者の努力にもかかわらず、12万人程度に落ちこんでいます。
県下一の観光地、飛騨高山の435万人(高山市調べ)に比べますと、観光資源とは呼べません。
岐阜県は人口210万、県内の80%近くが森林です。
岐阜市を中心とした、平野部に人口の70%以上が暮らしています。
昨日の地元新聞です。
07年一年間、県内を訪れた観光客の数が発表(岐阜県調べ)、掲載されました。
その数何万人だと思いますか?
私の持論です。地方が活性化するには、観光産業の振興しかない。
岐阜県は、観光客の誘致に力を入れています。
でも、私の知る限りでは、飛騨一円以外の観光地は閑古鳥です。
さて、どれだけの観光客が訪れたと発表されたでしょう。
結構、もったいぶってます。
驚いてはいけません。
日本の人口の半分、5268万人だそうです。
昨年一年間で岐阜県に5千万人以上の観光客が訪れたんだそうです。
あの、京都でも約4500万人(04年)と言われているのに。
紙面をよく読みますと、10月から12月まで、県が実施したキャンペーンの成果で、
1374万人が訪れたと。山また山の岐阜、どこから来て、どこの地を訪ねたんでしょうね?
皮肉を言うつもりはありませんが。
まー。お役所のおやりになる計算。
庶民の頭では到底、理解できないのは致し方ない。
もしかすると、観光客の概念が違うのかもしれません。
新幹線で岐阜羽島駅を通過した人も、岐阜を訪れた観光客なんでしょうかね〜。
こんな数字を、鵜呑みにしますと、
折角捕らえた魚を吐き出す鵜のような、ぬか喜びになります。
行政発表に何の疑いも持たない。
新聞記者も鵜匠に操られた、鵜なんでしょかね。
                   Goto

コメント

  1. Goto より:

    ありがとうございます。
    地方経済。誰かが、何時か、何とかしてくれる。そんな甘い、状態ではありませんね。行政は頼りになりません。徒手空拳でもやむなし。経営者は自分の足で立つ以外に手段はありませんね。中小企業同友会の活躍に期待します。

  2. TAKAI より:

    中小企業家同友会全国大会というのでで3月6日7日と初めて仙台に行って来ました。全国から1320名の経営者が集まり、その大会で仙台市長の挨拶がありました。なにやら飲み屋街のサミットを仙台でやったらしく、盛んに安全な国分町の宣伝をなさり、今晩も11時に皆さんをおまちしてま〜す!なんて とても柔らかい行政というゆうより、経営者という感じの市長さんでした。(お話しも楽しかった)
    後藤社長のブログの意図と外れてはおりますが、宮崎の知事といい、県や市の魅力を県外に宣伝するのは、やはり、首長たるべき方が、自ら語り、動くことも大切なのではと。
    外へ出て、自らの足で稼いで、初めて自分が見えてくる。それで何をやるかが見えてくる。行政も企業と同じだと思いますが。。。だから 怪しい数字を見抜けないと、気がついた時には「あらら・・・・」
    企業も頑張ってるのだから、
    お願い、行政諸氏の皆様、岐阜県を大切にしてくださ〜い