ぜひ、長良川に足を運んで下さいね。
闇をつんざき、筒が火を噴く。「ズドン」と打ち上げられ。
「ひゅる、ひゅる、ひゅる」と上昇中に笛の音が聞こえ、一条の煙線を描き、小さな花が、4〜5個。
その先端が、上空およそ、330mで、ピタッと止まった、その一瞬。
玉の座りが、決まる。(歌舞伎の決め)と、見事な割り口。
親星が飛び散る、外、中、芯と四重(これが八重芯)の同芯から光の花が咲く。肩の張りも良し。
外は赤、中は白、芯は青、僅かな時差を置いて、また、外が紫に変わる。見事な配色。
そして、尾を引きながら「ドン」と音響を響かせ、「ス〜」と消える。
これが、日本の花火師の最高傑作「割物花火」、「昇り小花笛付き八重芯変化菊」です。
故郷岐阜の中心を流れる長良川、夏の思い出は、その河原で繰り広げられる、花火大会。
毎年、7月の第四土曜と8月の第一土曜の二回開催され、街が一年で、最も賑わう日です。
60余年の歴史があります。私は無趣味ですが、花火には、ちょっぴり煩いんです。
なぜなら、我が親父殿が、地元紙(8月の方)の役員時代、花火大会の責任者努めていたからです。
中学生の頃だったと、記憶します。
親父殿は、重役出勤とかで、朝が遅く(勿論夜が遅いからですが)9時半頃、ご起床の日々。
それが、花火大会の当日は、6時半には目を覚まし、空模様を眺め「良し」と。天気を占う。
そして、7時を待ちます。時報と同時に「昼花火」が、「ド〜ン」と岐阜の街を揺るがします。
それは、それは、近所の人が家から、飛び出すほどの大音響です。
親父殿、「よ〜し」と、ひと声掛けて出社します。それが、花火大会の始まりです。
子供らは、その音で、「そわそわ」。昼下がりには、近所の若者のお尻について、
河原桟敷へぞろぞろと。おにぎりを方張りながら、日が落ちるのを今か今かと待ちます。
河原を埋める人、人、人。翌朝の新聞には写真とともに、30万人の人出とか、35万人のとか
岐阜市の人口以上の数字が躍ります。(私の心に残る故郷の賑わいとは、この花火風景です)
河原が闇に包まれる。主催者の挨拶が拡声器で流れます。
喧騒が一瞬、静けさに変ります。
と、「ズドン」と筒が火を吹き、「夜花火」の開演。(近年は一時間半ほど間断なく上がります。)
「うわ〜」「きれいやな〜」。「今の何て云う花火や?」「あれはな〜菊。今度のは牡丹いうんや」と。
したり顔の近所の兄さんが。
それが、私が花火にちょっぴり煩い理由です。
長良川の花火を止めよう。そんな、声が主催の新聞社から聞えます。
理由は、街中での打ち上げ、風向きで花火の残骸が周辺に被害をもたらします。
近年は、その苦情、文句が、半端じゃない。保障や保全で経費がかさむ。たまらん。から。
街の唯一の賑わいも、歴史も、生活に迷惑なら、理不尽な要求。世知辛い世の中です。
とは、申せ、今年も、数万発の花火が上がります。(主催者発表)
岐阜市民として、主催者、関係者に、感謝と敬意を払い。楽しませていただきます。
私の感想です。
花火は、遠目も風情がありますが、河原で見るのが一番です。
それに、スターマイン(連射連発花火)のコンクール(7月最終土曜の方で実施)は
花火見物の素人にも、一見の価値アリです。素晴らしいですから。凄いですから。
ぜひ、この夏は、長良川に足を運んでください。
Goto
コメント
おがせの花火ですか。
一度も見たことがありませんね。
何時やるんですか?
花火は夏の風物詩だと思ってますが、最近は、新年のカウントダウンでも。季節に関係なくなりましたね。
でも、浴衣にうちわ、ビール片手に観賞が一番ですね。コメントありがとうございます。 Goto
お腹に響く花火の音!いいですねー
おがせ池の花火、音は近くですよ